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向かったのはギプスコア県アスティガラガ。サン・セバスチャンから10kmほど内陸方面へ南下したところにあるこの町は、バスクシードラのメッカの地。
訪問したのはベレシアルトゥアというシードラ醸造所です。バスク産シードラについては、「バスクりんご酒をもっと飲む会」で詳しく説明してあります。
威勢の良いわんこがお出迎え。
大きな樽は、仕込み時期の直前で空っぽ、空気を通しているとのことで、なんともりんごの発酵した香りがすごいこと!二日酔いにはたまりません!
壁にはアスティガラガの風景とエスカンシア(シードラを上から注ぐ)姿のおじさんのタイルがかかっていました。どことなく、稚拙な雰囲気の絵がまた、田舎感あってよし。
ティスティング用に用意されたロモ・イベリコで、一気にみんなのテンション上がります。
このティスティングスペースにも、樽の風抜きの芳しい香り(糠漬けみたいな香り)がすごかったのですが、そこはすぐに、慣れるものです。
近代的なシードラ醸造所には、温度管理が可能なステンレスタンクもあります。
木の樽にはシードラが入っていなかったので、こちらのタンクから直接試飲させていただくことに。
正しいシードラグラスの持ち方を教わります。(↓これが正しい持ち方です!)
タンクからほとばしる新鮮なシードラを試飲!冷たくておいしい!
テープでがんじがらめのタンクがあったので質問してみると、「エウスコ・ラベル」と呼ばれるバスクの優れた食品や飲料を保証する品質管理の検査官が、規定の製造をチェック後に再度タンクを開けられないように巻いていくとか。高品質の証拠です(とは言え、なかなか原始的な方法です)
タンクが並ぶ貯蔵室の温度は9度!半そでの私たちは早々に冷え込んで貯蔵室を退散。
冷えた体を温めるようにシードラ、流し込みます!シードラから造るリキュールや、りんごを加えたビールも味見させてもらいました。
試飲後は醸造所裏手のりんご畑を散策。小ぶりで実の硬い、シードラ用品種のりんごがなっていました。
かじってもいいということだったので、さっそく半分がぶり。食用よりもはるかに硬く、水分が少ない印象。味はかなり渋いものの、甘みもありました。
農薬等を使用していないので、葉や実に虫食いの跡もあります。でもこれが本来健康なりんごの姿。この畑では、様々な品種が育てられていました。
草が生え、どんぐりの落ちている自然なままの大地は、東京に疲れた人間も、前日のジントニックで二日酔いの人間をも、童心に返らせる力があります。
そして自然の中に何かを見つけた人もいました(何撮っていたんだっけ?確か、すごくどうでもいいもの・・)
次回は醸造のステップを見てみたいと思いました。そして、二日酔いではない時に・・(自業自得)
醸造家のアシエールさん、ありがとうございました!
お次はベレシアルトゥア醸造所から歩いてすぐの、「サガルド・エチェア」(シードラの家)と名のついたシードラミュージアムへ。
こちらでは、施設でバスクシードラの醸造方法や歴史を展示しているほか、建物裏手の畑で様々な品種を育て、見学や収穫体験、また品種の研究などに役立てています。さすが、バスクシードラのメッカの地、アスティガラガ!(スペインで最もりんご醸造所が集中している*人口比の町です)
サガルド・エチェアはホームページで訪問の予約が取れます。
施設見学・試飲付で大人一名4ユーロです。
早速収穫体験に。バスの運転手さんガブリエルも参加!
シードラ用のりんごは、熟れて地面に落ちたものを、柄の長い鎌のような器具で刺して、籠に集めていきます。
新婚夫婦も「初の共同作業!よっ!」などと囃されながら、りんごを集めていきます。
この日注目を集めようと着ていたバスクりんご酒Tシャツは全く注目を集めませんでした。
収穫したりんごを、昔ながらの潰し器で潰す体験も。この棒がけっこう重い。これは重労働です。
本来はここに溢れるほどのりんごを入れて、掛け声を掛けながら潰していくそうです。
畑には、昔々、シードラが手作りで作られていたときの古い耕作機が置かれていました。どちらも馬や牛に引かせて、土を耕す機械だったそうです。
一汗かいて、ミュージアムへ戻り、一通りシードラの歴史や製造工程などのレクチャーを受けます。狭い施設ですが、昔ながらの器具などが置いてあって、マニアにはたまらない空間。
目に付いたのが、昔のシードラ醸造所の施設のミニチュア。
屋根がついている3階部分が地上に面していて、地下1階へ続く穴に落としてプレス、絞られた果汁が地下2階の樽へ注がれるという重力を利用したエコシステム。
手で潰す工程は、時を経て牛に滑車を巻かせ、プレスする方法になっていたんですね。
ミニチュア大好きにはため息もの。
ミュージアムには、その時期によって2種類のシードラを試飲できるショップがありました。
壁に建てつけてあるミニ樽から、シードラを飲むことができます。この日用意されていたのは、地元アスティガラガのシードラとフランス産シードラ。こちらでも、シードラの正しい飲み方を教わります。
「グラスの側面に当てるのよ」と施設職員さん
畑を見て、昔の人のシードラ醸造の重労働さが身にしみた後のシードラは更に美味しく感じます。
他にもアルコール発酵をさせていないりんご果汁100%のジュース(これが二日酔いにはたまらなく美味しかった!)
さらにシードラで造るアルコール度18%のリキュールは甘くてこれがまた二日酔いにはたまらなく。
写真はありませんが、ショップには様々な地域の多くのシードラがボトル販売されていました。色々買いたい気持ちはあったのですが、旅二日目でスーツケースを膨らませるわけにはいきません。涙涙の断念。
こちらも本当に、本当に欲しかった素焼きのピッチャー。バスクのシードラがボトリングされる以前、みなこのピッチャーで飲んでいたのです。
Theおみやげっぽいロゴ入りマグカップやシードラグラス、Tシャツなども盛りだくさん。でもけっこういい値段しました。
サンセバスチャンを訪れる観光のみなさん、アスティガラガはサンセバスチャンからバスですぐですし、日帰りどころか午前中だけミニ遠足としても行くことができます。
本場のシードラが飲める遠足、お勧めです!
さて、午前中に醸造所見学とミュージアム見学を終え、おなかがすいた一行は、地元の人にリサーチし美味しいとおすすめの地元のレストランへ、バスの運転手さんもお誘いして向かったのがこちら↓EKAITZ(エカイツ)
のどかな雰囲気の通りにありました。
スペインでは恒例の、口頭でメニューの説明を受ける!を終えて、それぞれお料理を待ちます。
紙ナプキンにはバスク語。これだけで高まります。
それぞれが頼んだ前菜をシェアしながら頂きました。
このボウルのような容器に入ったのはモロッコインゲンのさっと煮。さすが郊外!な量です。
北スペインでは超ポピュラーなピキージョピーマンの詰め物。
生たまねぎのスライスにツナ、オリーブ、トマトの入ったTHEスペインサラダ
誰かのを味見させてもらった(しかも残り一皿だった人気メニュー)白身魚のムニエルは身がぷりぷりで美味しかった!
ちなみに私が頼んだアジの塩焼きは、「あのー!すいませーん!大根おろしとしょうゆくださーい!」と叫ぶ味。こういうシンプルなのが、二日酔いにはいいのです。(まだ二日酔い)
牛タンのソテーや、豚ハムのソテーなどボリューミーなチョイスの人もちらほら。朝から動いているので、おいしく食べれました!
デザートまでぺろり!!このラインナップ、スペイン過ぎます。(左からクアハーダ、フラン、タルタ・デ・チョコラテ、トリッハ)
お腹一杯、大人数で食べるご飯の美味しいこと(^^)
もれなくシードラを2本飲み干して気分の良くなった一行は、バスに乗り込み更なるプチ遠足へ向かいました(イディアサバル訪問記)
午後も自然に触れ、自然と人の愛からできる本場のチーズを頂いて、夜は、一行が楽しみにしていたミシュラン三ツ星・マルティンベラサテギでの夕食(^^)
プランぎゅーっぎゅーです!
その様子はまたUPします!
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