サンセバスチャンで絶対飲みたい!りんごのお酒サガルドア

サンセバスチャンに行く目的、それは美味しいものを食べること。旧市街を歩けばひしめくバルに溢れる美食、ミシュラン星付きが人口比もっとも多い街、サンセバスチャンで、絶対飲みたいお酒はサガルドア!

サガルドアはバスク語でりんごのお酒をさします。スペイン語ならシードラ、英語ならサイダー。

サンセバスチャンに行ったらぜひ試したい本場サガルドアについてご紹介します。

サガルドアってどんなお酒?

バスク地方山間部で作られる、りんごを潰し、発酵させて作るお酒です。

ボトリングされたサガルドア
バスク シードラ博物館
口の大きいコップに注いで飲みます

以前ワインのインポーターに勤務していた際に、同業でバスク産シードラ(以下サガルドア)を取り扱う数社の営業さんたちと作ったHPがあることすっかり忘れていました。そちらより引用します。

スペインでりんご酒といえばアストゥリアスが有名ですが、しかしバスクでも6世紀の書物にりんご酒の記述が残り、それ以降りんご酒が日常的に飲まれていた記録が残っています。
 
りんご酒は、主にワインの流通が難しかったバスク地方山間部のお酒でした。
この当時、ワインといえばりんごから作るもの、と認識していた村も多数あったとか。
ぶどうから作るワインは、山間部の孤立した村々では手に入りにくい貴重品だったのです。
 
バスクりんご酒の中心地と呼ばれる、バスク、ドノスティア・サンセバスチャンの南に位置するAstigarraga(アスティガラガ)は2011年のデータによるとヨーロッパで最もりんご酒醸造所の密度の高い村(面積、人口対比)です。面積約12km²(東京ドーム約3個分)の小さな村アスティガラガに、実に21軒もの醸造所が存在します。
 
バスクりんご酒は炭酸ガスや糖の添加を行わず、りんごのみを原料とし、破砕→発酵というシンプルな工程で作られるアルコール度4.5度~のお酒です。

バスクりんご酒をもっと飲む会

醸造所では大樽が並び、新酒がリリースされる1月後半から5月ごろまで、大樽から直接注がれるサガルドアを味わい、併設された食堂で食事を楽しむことができます。

バスクシードラ
サガルドアのメッカ、アスティガラガ村の醸造所

サガルドアの魅力その① とにかく「合う!」

シードラ博物館
アスティガラガ村のサガルドエチェア(サガルドア博物館)

”りんごをただ潰して発酵させただけ”のサガルドアの魅力は、素朴でナチュラルな味わいと、驚異的な食とのマリアージュ力。

爽やかな香り、発酵によるまろやかな味わいが、野菜、魚介、肉、卵、乳製品までばっちり相性よく楽しめるので、ピンチョスに合う!

様々な食材の組み合わせのピンチョスも、サガルドアなら通して楽しめます。

サガルドアの魅力その② とにかく楽しい!

高くから注ぐことで酸をまろやかに、香りが立ってより美味しくなるサガルドア、そのパフォーマンスも魅力の一つ。

ちょっとこぼしながらもご愛嬌、注ぐ量は指2本分ほど、泡立ちが消えるまえにぐいっと飲むのが本場スタイル。

また、醸造所にて大樽から直接注がれるサガルドアは絶対試したいところです。

サガルドアが発酵、保管される大樽は「クペラ」と呼びます

大樽の前に集まった人たちが、樽から放出されるシードラをコップで受けていくリレーはどきどき、一体感も生まれます。

サガルドアの魅力その③ とにかくヘルシー!

サガルドアを作る醸造所をサガルドテギアと呼びます。

サガルドテギアでサガルドアを仕込む際、ざっと下記の製法が一般的なのですが、

  • 破砕・・皮や種ごと潰します
  • 浸漬・・果汁に皮や果肉を浸けて味わいや香りを出します
  • プレス・・圧搾機にかけ、果汁を取り出します
  • 発酵・・アルコール発酵させます
  • 澱引き・・沈殿する固形分を取り除きます
サガルドアの製造工程(Astiazaran)

3番目の「プレス」工程で、果汁はサガルドアになりますが、絞られた果肉、皮部分がありますよね。

これが相当大量だろう、というので一度絞りかすの行方を尋ねたことがあります。

お尋ねしたのはアスティガラガの一件のサガルドテギア、農薬なしで土着&野生りんごのみでサガルドアを作っている方。

農薬なし、野生のバスクのりんご

答えは、「栄養価が高いので豚や牛の飼料用か、または美容成分も多く含むから化粧品メーカーが買い取ってくれるよ」とのこと。

無農薬、自然に育った強いりんごで作るサガルドアは、栄養価が高く、低アルコールの健康的な飲み物としても認知されているお酒なのです。

もともとりんごは健康に欠かせないフルーツと呼ばれていますが、りんご100%のサガルドアの健康効果はこんなにすごかったです。

抗酸化作用
動脈硬化予防
冠状動脈性心臓病の予防
腎臓結石の形成を防ぐ
優れた血管拡張作用がある
悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールが増える
尿酸のレベルを減らし、腎臓を保護
利尿を促しデトックス効果がある
安眠効果がある
血圧の正常なレベルの維持を助ける
消化器系の炎症を防ぐ
胃腸の状態に苦しんでいる人々の口臭除去を助ける
高いペクチン含有量により、心筋梗塞を予防

https://nutricioni.com/sidra-de-manzana-bebida-natural-y-saludable/ より引用

高い抗酸化作用、多様で高いアミノ酸、アントシアニン、ビタミン、ミネラルを含み低カロリー、その健康効果は、く、薬ですか?というお酒です。

※低アルコールとはいえ、お酒です。飲みすぎには注意!

サンセバスチャンでサガルドア、どこで飲む?

比較的どんなバルでもおいてあると思います。

バルでのサガルドアの頼み方

サガルドアはスペイン語でSidraと言います。

まずはシードラがあるかどうかを聞いてみて・・

¿Tenéis sidra?
シードラはありますか?

グラスで提供してるところあるかな。。ボトルで頼むのが一般的だと思います。

追記→大抵グラスでも飲めるそうです!Namiさん情報提供Gracias!

Una botella de sidra, por favor
シードラ一本お願いします。

サガルドテギアで大樽から楽しむ、大人の遠足へぜひ

上記ア・フエゴ・ネグロでも常時取り扱いのサガルドア、「アスティアサラン」を作るサガルドテギアではサガルドアに合うお料理が通年楽しめます。ホームページで英語で予約可能。

サガルドテギアではこんな料理が伝統です。

  • 炭火焼の赤身牛肉(中はレア!)
  • 鱈のフリット
  • 鱈入りオムレツ
  • ピーマン素揚げ
  • バスク産チーズ
アスティアサランの「サガルドテギアメニュー」

サガルドアの飲み頃はいつ?

サガルドアは毎年1月後半に各醸造所が「今年もの」を解禁します。

熟成させる文化はなく、その年にその年のものを飲みきるのがお約束。

(アストゥリアスでは熟成タイプも研究中)

もっとも旬は1月後半〜2月、この季節にスペイン行く方、寒いですがぜひサガルドテギアで大樽からの初サガルドアを楽しんでください!

サガルドテギアによっては5月を目処に一般解放を終了、または、木製樽からステンレスタンクへ詰め替えを行い、残りの季節はボトリングされたサガルドアを楽しむようになります。

もっとサガルドアを知りたい!そんなあなたは博物館へGO

最後に

バスクのりんごのお酒、サガルドア。

美味しくて、体によさげで、楽しいお酒。

もちろん本場で飲むのが一番美味しいのですが、日本でも最近はけっこう飲めるところもありますのでぜひスペイン料理店で聞いてみてください。

そして、サンセバスチャンに行ったらマストです!

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