大西洋とカンタブリア海に面するガリシアでは、1200kmにも及ぶ海岸線沿いでさまざまな魚介が水揚げされます。
リアスにより複雑に入り組んだ海岸線のそこかしこでムール貝、カキ、ホタテなどの養殖が行われています。
ガリシアの魚介が美味しい理由
陸に近い漁場は遠浅で水温が一定に保たれやすく、温暖で、荒々しく打ち寄せる波によって酸素やミネラルが多く含まれた栄養たっぷりの海水と、ガリシアの各地から岩盤質の地層を抜けてきた美味しい水が流れ込み、健康で味わい豊かな魚介が育ちます。
Depuradora(デプラドーラ)/浄化施設
また、水揚げされた魚介はすべてDeputadora(デプタドーラ、無菌水施設)にて24時間無菌水に生きたまま浸けておかれます。このDeputadoraでは一般販売しているところもあり、地元の人は新鮮な魚介を安く買えるデプタドーラへ行くそうです。(内陸で販売されているものと比べ半額以下)
ムール貝 /Mejillones(メヒジョネス)
1年を通して収穫されるが、最も収穫高が多いのは9月と10月。
ローリエの葉を加えて貝が開くまで蒸すか(Mejillones al vapor)、白ワインにみじん切りにした玉ねぎ、にんにくを加えて煮立てた中にムール貝を加え煮る(Mejillones a la marinera)などのシンプルな調理法がポピュラーですが、身をオムレツに加えたり、ガリシアの郷土料理であるエンパナーダの具として入れられたりもします。
ホタテ /Vieiras(ビエイラス)
サンティアゴ巡礼のモチーフともなっているホタテ貝。
現在巡礼の道にはホタテ貝を模した道標が配置されていますが、昔々は実際にホタテ貝の殻が道々置かれていたそうです。
旬は10月~3月。ガリシアでは殻に掃除したホタテの身を戻し、にんにく、パセリ、玉ねぎなどのみじんぎりを加え、アルバリーニョを振りかけてオーブン焼き(Vieira gratinada)にするなどが一般的です。
カキ/Ostras(オストラス)
中世の頃はスペイン上流階級で食べられる高級食材でした。
16世紀にはマドリードの王室へガリシア産カキのエスカベッチェが届けられていたそうです。
現在ガリシアでは土着の岩ガキを見つけるのは非常に困難といわれています。ここ25年ほどは数種のカキが養殖されています。ヨーロッパカキ(フランスから)が主で、他にもポルトガルカキ、日本カキが養殖されています。
ヨーロッパカキは通常適正なサイズに育つまで4年かかる品種ですが、ガリシアの豊かな水源のもとでは2年半ほどで育つとのこと。
ガリシア産カキの取扱量が最も多いビゴの市場La pedra近くにあるその名も「Calle de las ostras(カキ通り)では水揚げされたばかりのカキが並び、新鮮な生ガキを堪能することができます。
タコ/Pulpo(プルポ)
ガリシアのタコが美味しいのは、美味しい魚介を餌にしているから、と地元の人々は言います。
観光地のバルなどではモロッコ産などの安いタコを使っているのでお気をつけを・・
ガリシア産のタコが食べられるおすすめレストランは下記でチェックしてください!
その他の魚介
他にも、ガリシアではZambriñas(サンブリーニャス、ちびホタテ)Percebes(ペルセベス、亀の手)やNabajas(ナバハス、マテ貝)、Berberecho(ベルベレチョ、ザル貝)さまざまな魚介が食べられます。
Mariscada(マリスカーダ)魚介盛り合わせ
それぞれ茹でたり蒸したりしシンプルに食べられるのが定番ですが、このような魚介を盛り合わせにしたガリシアの海側の名物がMariscada(マリスカーダ)、大きな銀盆にボイルされたさまざまな魚介が盛り合されているお料理です。
マリスカーダには以下のような魚介が載るのが一般的とされています。
- Navajas(ナバッハス)マテ貝
- Bogabantes(ボガバンテス)オマール海老
- Gambas(ガンバス)海老
- Centollas(セントジャス)蟹の一種(Centollo・セントジョとも)、他にも nécoras(ネコラス)やbuey de mar(ブエイ・デル・マル)海の牛と呼ばれるような多種多様の蟹
- Percebes(ペルセベス)亀の手
- Vieiras(ビエイラス)ホタテ
- Ostras(オストラス)カキ
- Almejas(アルメッハス)アサリ
- Berberechos(ベルベレッチョス)ザル貝
などなど、観光客に人気で価格はちょっぴり高め、上記写真だと一皿1万円くらいです。
D.O.リアス・バイシャスのアルバリーニョワインと合わせると、最高です。
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