バスクの黒い宝石、アルビアス・デ・トロサ

バスクの黒い宝石、トロサ豆

5年ぶりのスペイン旅行が楽しみすぎて旅行中の1時間ごとの予定を立てている Eriko(@erikogreenspain ) です。

メモしておいても調べたうちから情報を忘れていくので、下調べした内容をこちらにUPし、現地で実際に見て、食べて、再度レポートしようと思います。

今日下調べしたのは、バスクの黒い宝石と呼ばれる内陸の黒豆、アルビアス・デ・トロサに関してです。

バスクへ行く方は、ピンチョス巡りや海岸の魚介料理が楽しみかもしれませんが、実は内陸の食材もとっても熱いんです〜!

次にバスクで食べるべき、内陸の名産品とは

それは、アルビアス・デ・トロサです。アルビアス(alubias)というのは、インゲン豆の意味。トロサ(Tolosa)はバスク、ギプスコア県(サン・セバスティアンがある県)の内陸の町の名前です。

トロサ豆の煮込みは、主にバスク内陸の家庭やソシエダ・ガストロノミカ(地域の人が集って料理を作り食べる美食倶楽部)などでは定番料理で、特に冬の寒い時期に家族や仲間が集まり、その年のトロサ豆の収穫を祝い味わいます。

トロサのインゲン豆、これがあなたが次にバスクで食べるべき名産品です!

艶々真っ黒、丸いツルツルのお豆、これがアメリカ大陸からスペインに持ち込まれたのは、16世紀のことと言われていますが、それがトロサで栽培され日常的に食べられるようになるにはそこから300年ほどの年月を経た18世紀〜19世紀の初めごろということです。

高い栄養価が評価され1914年には400万キロの収穫量を記録しています。

しかし、20世紀中頃にはその生産量は徐々に落ちていきます。理由は流通網の充実により食材が豊富になったこと、トロサ豆を栽培・収穫するよりもより簡単に栽培できる農作物へ畑がどんどん切り替えられたことでした。

土着回帰、復興の動きがスペイン全体で盛んになった90年代、トロサでも同じく、トロサ豆の栽培・消費文化の復興が盛んになります。

1994年には40の生産者が原産地呼称の元でトロサ豆を栽培し、合計で平均して年間3万キロを収穫しています。

トロサ豆はこうして食べる

トロサの黒豆は、ほっくりと煮て、キャベツや酢漬けの青唐辛子、そして「Sacramentos(サクラメントス、秘跡の意味)」を別添えにして食べます。

2019年、大阪アマルールさんでいただいたトロサ豆の煮込み。奥に見えるのがSacramentos
トロサ豆の煮込みに欠かせないサクラメントス

サクラメントスは、主にチョリソー、モルシージャなどの肉製品を指します。

秘蹟、といった宗教用語がついている理由としては昔々、バスク内陸の貧しい村々では、お豆と野菜のみを煮て食べることがほとんど、高価な肉製品を添えることができる家庭はほぼありませんでした。チョリソーやモルシージャを添えることができたのは、裕福な司祭の家のみだったことから、添え物が秘跡の一つのように呼ばれた、というのがもっとも濃厚な説のようです。(諸説あります)

ほっくりお豆は優しいお味

どうせなら、このレストランでトロサ豆を食べたい

2023年10月、ご縁あり東京新丸ビルで開催されたバスクイベントに参加してきました(感謝 @makotoenooku)。そこで出会ったのが、トロサ豆の神様こと、ロベルト・ルイス氏。

1968年ベアサイン生まれ、1992年から2017年までトロサの名レストラン「フロントン」で責任者を務め、現在はチャコリワイナリー「HIKA」併設の同名のレストランを監修しています。

HIKA(イカ)HP:https://www.hikabodega.com/restaurante-hika-gastronomiko-roberto-ruiz/

「彼の豆料理は特別」と人気を博し、自身でも原産地呼称認定のトロサ豆を栽培する作り手でもあり、豆に関する書籍も発売するなど、まさにバスクの豆料理の大先生。

そう、彼がいるレストランで、トロサ豆を食べたい!!

今回ロベルト氏&マコト氏と朝市に行くお約束もできたのでめちゃめちゃ楽しみです。

トロサ豆、食べてきます!

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