美食の地バスクで食べるものありすぎて迷ったとしてもまず食べるべきバスクを代表するグルメ、チストーラをご紹介します。
バスクの腸詰め代表チストーラ
原産はバスク、ギプスコア県(サン・セバスチャンがある県)と言われています。
スペイン語のLonganiza(ラテン語由来、長い腸詰の意味)のバスク語、Txistorra(チストーラ)と表記します。
スペイン全土で見られるチョリソーと似ていますが、チストーラは約7割が脂と割合が高く(チョリソーは3割程度)細く長いケーシングで、短期熟成(1〜25日)の腸詰めです。長期保存はしません。
5cmほどにカットして、多めの油で揚げ焼きにして、パンに乗せたり、挟んだりして食べるのが一般的。脂が多いのでなにせジューシー!薄い皮がプチンと弾けてじゅわ〜〜〜〜っと旨味(脂身)が口中に広がります。
チストーラをさらっと知ろう
現在でこそ、バスクの美食には欠かせない高品質な食材ですが、そのルーツは貧しさと食べ物を大切にした歴史・環境がありました。
現在は「長い腸詰」を意味するバスク語チストーラの名で呼ばれていますが、元はバスク語で「肺」を意味するビリカと呼ばれ、本来は冬の豚の屠殺で余った部分(肺を含め、その他内臓や端肉など)を詰めて作った腸詰と言われています。バスク、ナバーラの気候条件から、保存料の添加やスモークは不要とされ、他の腸詰類よりも早く消費しなくてはなりませんが、フレッシュな味わいを楽しむことができます。
やがてギプスコアの山間から、簡単で、余り物で作ることができる美味しい腸詰として隣州ナバーラ全土に広まり、さらにお隣アラゴンへ広まったと言われ、アラゴンでは現在も、arbiello(アルビエジョ)と呼ばれる、豚または羊のレバー、肺を豚の脂身と混ぜた腸詰や、または肺や膵臓、頭の肉などを詰めたBerika(ベリカ)があり、現在のチストーラに近い豚肉を使った腸詰はchoriceta(チョリセタ)と呼ばれ区別されています。
ナバーラでは現在スペイン語表記のChistorra de Navarra(チストーラ・デ・ナバーラ)で原産地呼称をとり、またスペイン王立アカデミーの辞書によると、チストーラとは「ナバーラで生産されるチョリソーに似た腸詰だが形が長い」というように記載されているということなので、実はバスクグルメ、というよりもバスク原産のナバーラグルメ、が正しいようです。
さらにそれだけに止まらず西へも広がった歴史があり、レオンでは牛肉で作るチストーラがあるとのこと。セシーナ(牛肉で作る生ハム)ばかり食べていた・・(反省&次回はレオンのチストーラ食べてきます)
参考:CHISTORRA, JUAN FLORES
チストーラに合わせるお酒は?
脂をキュッと洗い流すバスクのりんごのお酒シードラ、またの名をサガルドアがおすすめ!
もちろんナバーラのしっとりガルナッチャ赤と合わせるのもおすすめです。
前にナバーラ北部の山の麓の村で朝のカフェ飲みに行ったら、強制的に赤ワインとチストーラとパン出てきたこと思い出しました。美味しかった。
チストーラを食べるならこの祭り
毎年バスク全体で祝われる12月21日に開催されるサント・トマスの日、地域の様々な食品の市場が立ち、その中でもとうもろこし粉を練って焼いたタロ(トルティーヤのような生地)にチストーラを挟んで食べるのが有名です。
ちなみにバスク観光局公式サイトでは2020年のサント・トマスの日、開催告知されていました!あ〜〜〜〜〜〜行きた〜〜〜〜い!
上記の日時以外でも、もちろん一年中チストーラは販売・提供されているのでご安心を!
2019年のチストーラNo.1(ナバーラ)はここだ
2019年9月に行われたチストーラコンテストに優勝したのは、ナバーラ、パンプローナから車で1時間ほどのAyegui村にあるお肉屋さん、Los porches de Ayegui。
きっと行きます。お肉屋さん。
参照:La mejor chistorra de Navarra 2019 está en Ayegui, según el gremio de carniceros y charcuteros
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