ガリシアといえば、何といっても食べたいのが「タコのガリシア風」( タコのガリシア風について詳しくはこちら)。
マドリードならコシード、アストゥリアスならファバーダ、ブルゴスならモルシージャ、バスクならピルピル、ラ・マンチャならピスト、バレンシアならパエージャ、コルドバなら牛テール煮込みなどなど挙げたらきりがないのですが、その土地で愛され、他地方でも名を知られる有名料理というのがどの街にもあります。
タコのガリシア風は日本の多くのスペイン料理屋さんでも食べられる、ガリシアと名のついた最も有名なお料理かもしれません。
本場ガリシアでタコのガリシア風を食べる
そんなタコのガリシア風、本場に行ったらぜひ食べてみたいですよね。
もちろん、ガリシア中色々な町でタコのガリシア風を見つけることができます。
しかし!東京・神奈川・埼玉・千葉・群馬を足してもまだ大きいのがガリシア州です。(総面積29,570 km² Google調べ)
どうせなら本当に美味しいタコのガリシア風が食べたい!という通な方にはこちらをおすすめします
タコのガリシア風が世界一美味しい町、オ・カルバジーニョ
ただこのオ・カルバジーニョ、有名観光地からはちょっと遠いのです。
よっぽどタコのガリシア風に思い入れがあり1日使っても絶対世界一美味しいタコのガリシア風を食べたい!という方には絶対的に行って欲しいのですが、ちょっと食べたいな〜という場合には、ちょっと遠いのです。
サンティアゴ・デ・コンポステーラで「一番おいしい」というお店を教えてもらいました
年間260万人が訪れる(2017年調べ)サンティアゴ・デ・コンポステーラ。
ガリシア州の中でも人口対の飲食店数が最も多い街で、その数は1200店舗以上、特に旧市街は美味しそうなお料理の看板を出したレストラン・バルがぎゅうぎゅうに並んでいます。
そんなサンティアゴ・デ・コンポステーラで、地元の人が絶賛する「タコのガリシア風」があるレストランがあると教えてもらいました。
教えてくれたのは、下北沢Taula店主の高橋君。サンティアゴ・デ・コンポステーラのアラメダ公園にて。
スペイン、カタルーニャの牛しかいない山奥に2年暮らしながらレストランで修業した経験がある高橋君の、サンティアゴ在住お友達のおすすめのお店です。
メソン・ド・プルポ
Calle Vista Alegre, 57, 15705, Santiago de Compostela
その名も「タコ(Pulpo)レストラン(Mesón)」
旧市街の大聖堂からちょうど1㎞、歩いて行けます。
テーブルに紙のクロスがかかった、地元民が集うお店です。
意外ですがタコのガリシア風に合わせるのは地元産の赤ワイン。(もちろん白ワインやビールも頼めるのでお好みで)この地方で「クンカ」と呼ばれる(スペイン語ではタサ)陶器の器でワインを頂きます。
ガリシアのどこでも、ワインの後には大きなパンがかごで運ばれてきます。北スペインで一番パンが美味しいのは間違いなくガリシアです。
店内のもっと大きな写真がなくて本当に残念、なぜ撮らなかったのかも不明!お店のおじさんは陽気で明るく、広い店内を軽快に行き来していて、店内奥ではタコを茹でる鍋をわかすオープンキッチン(カウンターなどもない、客席の隣にコンロがある感じ)でさかんに湯気が立っていました。
店内はどんどん埋まり、家族客や若者たちのグループなど、観光客らしきはわたしたちだけ。
観光の中心、旧市街とは全く異なる雰囲気です。
サイズ感がわからずおじさんに相談、「だいたいみんな一人一皿食べるが、まずは4人で2皿で様子を見て、足りなかったらまた頼めばいい」とのことで、その通り言われるがままお願い。
サンティアゴ・デ・コンポステーラで一番おいしいと有名な、メソン・ド・プルポのタコのガリシア風
タコと一緒に煮て赤くなったお芋は別添え(写真奥)
ぴりっと辛いピメントン・ピカンテがうっすら、香りの濃いオリーブオイルとタコの旨味の染み出た煮汁が木の皿で合わさり最高のソースになっていました。もちもちぷりぷりのタコは口に入れると海の味が一杯に広がります。
正真正銘、ガリシア産のタコを出しているお店です。観光客向けのお店ではガリシア産ではない安価な海外産タコがほとんどだとか・・食感や旨味が全然違うそう。
ガリシアのち密な地下地質をくぐりぬけてきた美しい水が注ぎこみ、豊富な魚介が育つリアス海岸で、美味しい蟹やエビを食べて育つタコです。
食感、味わい、本当に美味しいタコのガリシア風でした。
タコとパンとワインでおなかが膨れてきたところで、おじさんが「絶対にうまいから食べろ」とおすすめしてきた、季節が始まったばかりの小鯵のフリット。レモンをぎゅっと絞って頭からかじりつきます。身がふわふわで皮がかりかり。おじさんありがとう、これだけでも食べに来たいおいしさでした。
ワインをたっぷり頂いて、タコとパンと芋と小鯵をおなかに詰め込んで、お会計は4人で36ユーロ。
提供される食事の質、そしてこの価格。観光客向けのレストランなら、間違いなくこの2倍になるはず(それでも安いけど)
他のテーブルをきょろきょろすると、ほぼ全てのテーブルが頼んでいたのが「ソルサ」と呼ばれる、豚肉をパプリカパウダー、ニンニク、塩で調味し漬け込みソテーしたもの。(スペインの他地域ではピカディージョと呼ばれるお料理です)大盛のポテトフライが添えられていて食べ応えありそうでした。
そして、次回ぜひ試したいのがカジョス、そして、入り口すぐのガラスケースに入っていたフラン(プリン)、”理想的な”すの入った、硬い卵プリンに後ろ髪をひかれながら、ふくれたお腹を押さえてお店を出ました。
静かで美しいサンティアゴ・デ・コンポステーラの郊外の街並みと星空を見ながら歩くと、旧市街までの帰りの1㎞もあっという間でした。
サンティアゴ・デ・コンポステーラに行ったら、ぜひ!このメソン・ド・プルポでタコのガリシア風を食べてみてください。
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