スペインは野菜が美味しい
スペインの美味しいものといえば・・
ハモン・イベリコ
パエリア
エビのアヒージョ
など、日本料理でいえば寿司・天ぷら・鉄板焼き級のメジャーな料理の名前が挙がりますが、スペイン旅行に行った人のお土産話で良く聞くのは・・
野菜が美味しい!
生ハムやチーズのように輸入されることがあまりないので日本での印象は弱いのですが、スペインには美味しい野菜がたくさんあります。
スペイン全土で様々な野菜が作られていますが、その中でも厳しい基準と規格をもって栽培・販売される原産地呼称が付いた野菜が28種類あります。
28種類のうち、なんと10種類がスペインの「食の貯蔵庫」と呼ばれるガリシアに集中しています。
スペインの原産地呼称野菜マップ
スペイン農業・漁業・食品省のホームページより参照、PDFが無料でダウンロードできます
Mapa de Hortalizas y Verduras con Denominación Geográfica Protegida e Indicación Geográfica Protegida
今回は、そんな野菜が美味しいガリシアの中のみならずスペイン全土でも有名かつ人気のお野菜に会いに行ってきました!
ピミエントス・デ・エルボン
エルボンの名前よりも、「パドロン」の名前で知っている人もいるかもしれません。
ピミエントス・デ・エルボンについて詳しくは下記にて
パドロンのピーマン畑に行くまで
どうしても畑を見に行きたかったのですが、インターネットでくまなく調べても訪問ツアーなどはなし。
そこで思い切ってパドロンの観光インフォメーションに畑見学可能かメールしてみたのが訪問予定日の3か月前でした。
翌日すぐに「生産者にご希望伝えてみるので数日お待ちください」の丁寧なお返事をいただき、そして数日後「訪問全く問題ありません!」とご連絡もらいました。
さらに、なんと「よければパドロンの街も案内します」の嬉しい言葉も!
お言葉に甘えて・・行ってきました!
ピーマンの里パドロン
サンティアゴ・デ・コンポステーラから車で30分、バスもあります。タクシーでも30ユーロ程度で行けるのでぜひおすすめしたい遠足の地、パドロン。
街の中心に何かの像が・・
かご一杯のピーマンを足元に置いたお母さんの像でした。並んでいただいたのは今回一緒にスペインを回った仲間、銀座・オジャリアで料理を担当する高橋君です。
ピミエントス・デ・エルボンの原産地呼称委員会の委員長さんの畑にお邪魔しました!
ピーマンを足元に置く女性の銅像がある街の中心地から車で5分、パドロン観光インフォメーションのアルベルトさんが案内してくれたのは、ピミエントス・デ・エルボンの原産地呼称委員会の委員長さんの畑でした!
訪問したのは6月半ば、2018年は温度がなかなか上がらず、路地の畑はまだ収穫ができない状態とのことで、ビニールハウスの中を見せてもらいました。
本来は5月半ばごろから気温が24度を超し、6月には次々と収穫される時期だそうなのですが、この時は私たちもダウンを着込む寒さでした・・
委員長の旦那様がお手伝い中、広いハウスの中には背丈100㎝ほどのピーマンの木がずらーっ
ハウスはビニールの屋根があるだけ、という感じで、温度調整などは一切していないそうです。
葉と葉の間を覗いてみると・・・ありました、ありました!まだ小さいピーマンが!
ところどころ白い可憐な花も残っていました。
そしてこの方が、ピミエントス・デ・エルボンの原産地呼称委員会委員長さんです!
「ピーマン作りは女性の仕事」だそうで、一年のうち5月〜10月末までの出荷のみとなるピミエントス・デ・エルボンは主婦が畑を守ります。
経済成長期のスペインで、急速に工業が活性化したガリシア地方、男性はみな出稼ぎに駆り出され、畑を守ったのが女性たちだったそうです。
この日畑にいた旦那さんはお仕事が夏休みでお手伝い中でした!
本物のピミエントス・デ・エルボン
ピミエントス・デ・エルボンの形は長さ6㎝弱程度、傘の持ち手のように曲がった茎とおしりの3つの隆起が本物の証だそう。
パドロン一帯で栽培・出荷されるピミエントス・デ・エルボンはその美味しさからスペイン全土で「パドロン種」の名前で栽培され、安価に手に入ることも多いそうで、なんとサンティアゴ・デ・コンポステラの観光客向けレストランなどでも、ガリシア以外の遠い土地で栽培されている偽物が使われるケースもあるそうです・・
本物はサイズが6㎝を超えることはなく、もし見るからに大きくて茎がまっすぐ、などは偽物なのでお気を付けを!
辛いピミエントスはなぜできるの?
ピミエントス・デ・エルボンも、日本のしし唐同様、一定の割合で激から君が混じっています。
なぜ辛いピーマンができるかを聞いてみたら、それは「ストレス」だそうです。
花が咲き実をつけ始める5月からの気温がポイント、極端な温度差がある場合に実にストレスがかかることでもともと少量含有しているカプサイシンが増加、辛いのができるそうです。
また、辛いのを避けて品種改良したバージョンもあるそうですが旨味は全然違うとのこと。
ちなみに地元では「辛いのだけほしい!」というマニアもいるそうで、選り分けてあげる場合もあると聞きました。
ということは・・見分けるコツがある・・?
委員長がカゴの中から選んだのは、サイズが小さく実が曲がっているひとつ。かじらせてもらったら、間違いなく激辛でした!!
揚げてしまうとわかりづらいですが、小さめで曲がっているものは要注意!
原産地呼称委員会長に聞いた、一番美味しい食べ方は?
やっぱり「素揚げに粗塩」でした!
煮たり焼いたりはおうちでもしないとか。ヘタの部分を手でとって、良い油で揚げ、がりっと粒の大きい岩塩を振って熱々で食べる、これが一番のようです。
忙しい時期に笑顔で歓迎してくださった委員長に感謝!
みなさんもぜひ、パドロンに行ってみて!
5月〜10月の季節にサンティアゴ・デ・コンポステラに滞在する方、ぜひぜひパドロンおすすめです!
畑も訪問大歓迎とのことなのでご希望の方は観光インフォメーションセンターへご連絡を。
ちなみに行けるなら・・日曜日に。ガリシア最大と言われる青空市場が毎週日曜開催されています。
パドロンの種、どこで手に入ります。