サン・セバスチャンのデザートといえば、最近はもっぱら例のチーズケーキですが、バスク人が100年以上、菓子店でも、バルでも、レストランでも、そして家庭でも愛し続けるデザート言えば、Pantxineta(パンチネッタ)です。
パンチネッタとは
パンチネッタとは、バスク地方の特にサン・セバスチャンを中心に愛される、パイ生地でカスタードクリームを包んで焼いたお菓子です。
特徴は、アーモンドを表面にふりかけて焼き上げること。
そのままでも、粉糖を振っても、チョコレートソースをかけたり、アイスクリームと合わせて食べたりします。
丸形、長方形、つまみやすい一口サイズなど形もさまざま。
パンチネッタの元祖はこちら
Pastelería Casa Otaegui パステレリーア カーサ・オタエギ
住所: Narrika Kalea, 15, 20003 Donostia, Gipuzkoa
1886年創業、現在ギプスコア県内(サン・セバスチャンがある県)で営業を続ける菓子店の中で最も古いお店です。
時はさかのぼって20世紀初頭、サン・セバスチャンは第一次世界大戦から逃げてきた裕福なスイス人、フランス人などの滞在地となっていました。彼らは家族とともに料理人、菓子職人を共に引き連れており、この時代のバスク料理に新しい食材、調理法をもたらしたと言われています。
そんなサン・セバスチャン最全盛期、既に提供する菓子の品質の高さから”王室御用達”となっていた菓子店カーサ・オタエギのおかみであるホセファ・マルティーナ・オタエギが、バターをたっぷり使ったパイ生地でクレーマ・パステレラ(カスタードクリーム)を詰めて焼いたお菓子を初めて製作したといわれています。(※1915年とも、1924年とも、はたまたホセファさんの義理の姉が2号店で初めて作ったとも言われ、諸説あります)
名前の由来は、フランス菓子で使われるアーモンドクリーム「フランジパーヌ」をもじったもの、実際には全く異なるお菓子です。
パンチネッタ画像を集めてみた
元祖、オタエギのパンチネッタはこちら
アイスクリームやチョコソースをかけるのも人気
アクティブなあなたに嬉しい食べ歩きサイズ
スライスアーモンド×スマートに仕上げた長方形スタイルも
とにかく色々アレンジしちゃっても、パイ×アーモンド×カスタードならパンチネッタ
パンチネッタのレシピ
お菓子作りが好きで、自分でパイ生地を作るという方はぜひ自作パイで、今回は市販のパイシート(100g×4枚入りで420円)を使用しました。

材料
- パイシート・・・2枚
- 全卵・・・1個
- 卵黄・・・2個
- 砂糖・・・40g
- 牛乳・・・250ml
- コーンスターチ・・・15g
- バニラエッセンス・・・少々
- アーモンド(ダイスカットでも、スライスでもお好みで)・・・50g
作り方
- 牛乳を200ml鍋に火にかけ、沸騰寸前まで温めます。
- 残りの牛乳にコーンスターチを溶いておきます。
- 全卵と卵黄を合わせて、大さじ1杯ほど別容器にとっておきます(パイ生地表面に塗る用)
- 3に砂糖を加え、白っぽくなるまで立てます。
- 4に2を合わせ良く混ぜたら、温まった牛乳を少しずつ混ぜていきます。
- 5を鍋に入れ、混ぜながら弱火で火を入れていきます。
- ふつふつしてきたら焦げないようしっかり混ぜながら、少々固め(木べらでなべ底をすくうと、そのまま底が見えたまま動かないくらい)に仕上げ、最後にバニラエッセンスを少々ふって混ぜておきます。
- 7はあれば平たいバットまたは皿にとって平らにならし、ラップをぴっちりはって冷やします。
- 解凍しておいたパイ生地は粉をふった台で少々伸ばし、オーブンシートを敷いた鉄板に一枚のせます。
- 縁を1㎝残し、冷えたカスタードクリームを平らに盛っていきます。
- 縁を水で濡らし、もう一枚をかぶせて、縁はそっと上から合わせる程度にしました。(フォークで押さえてしっかりとめるなど、色々なレシピがありますが、オタエギ風に縁も立ち上がるようにしたかったため)
- 取っておいた卵液へ少々水または牛乳を加えて伸ばし、刷毛でパイ生地表面にまんべんなく塗ります。
- 上にアーモンドを散らして、180度のオーブンで50分(オーブンによっては40分~、香ばしく表面が焼けるまで)焼きます。
- 粉糖をかけて出来上がり。
冬は外で冷ますと一発 焼く前

冷凍パイシートなので想像がつく味ではあるのですが、アーモンドがびっしりのることで口の中で香ばしく、また手作りのカスタードの素朴な卵の味と相まって、「あ、なんか懐かしい」とつぶやくこと間違いなし。
バニラビーンズ使うとなおよしです。(今回は手抜き・節約しました)
更に、パイシートを3枚(間の1枚は、額縁のように切り取り、縁部分のみ使います)使用するのが本来のオタエギスタイル、今度はそれでやってみます。
カフェや紅茶にも相性良いですし、もちろん赤ワインにめちゃめちゃ合います。特にしっとり濃厚なリオハなど。
次回はもうちょっとパイをがりっと焼いてみたいと思います、みなさんもぜひトライ!

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