サンティアゴ・デ・コンポステラのパン屋さん
聖なる道の最終地点、サンティアゴ・デ・コンポステラ。Plaza do Obreiro(プラサ・ド・オブレイロ)の広くすりへった石畳の広場に立ち、苔むした大聖堂に目を向ければ、太陽は知らずに傾く。時が違う速さで流れるのは、サンティアゴ・デ・コンポステラの街が持つ魔法か。
縦横に走る石造りの細道、レトロなショーウィンドウに伝統の商品を並べる小さな商店が密集する、サンティアゴ・デ・コンポステラの旧市街は、地図を持たずに迷い込みたくなる、おとぎ話のような街。
そんな街で、とても素敵なパン屋さんを見つけました。
細い道を何度も曲がって、ふと見つけた小さなショーウィンドウには、柔らかそうな茶色のパン。
お店の外観はこちら。
パン アルテサン ア・トロイア Pan Artesán A troía
追記:2018年時点で、閉店を確認しました。残念!
HPがあり、スペイン国内なら通販もできます。
住所:c/ Troia, 8. Santiago de Compostela
TEL:981 587 159
カテドラルのあるPlaza do Obreiroから、カテドラル向かって右手の細道を入り、すぐを左折してカテドラル裏手の階段を上り、右細道を入ったら、すぐを左折してから右折、ひとつめの角を左にはいるとCalle Troia(Rua Troia)・・・・Infoで地図をもらうことをオススメします。
小さなお店。一歩店内に入ると、甘くやさしい香りに包まれます。
ガラスの瓶に入れられた、多彩なフレーバーのクッキー。100グラム単位で買えます。
香料や着色料、保存料などを一切使わない、手作りのクッキーたち。
どれにするか迷います。
店頭にあったパンの質感は、もっちり、ぎっしり、どっしり。
私が食べたのは、ダブルチョコレートのパン。ほろ苦いチョコレートが練りこまれた生地に、たっぷりのチョコチップが入ったボリューミーなフレーバーでした。
そのしっとりとした食感はどこから来るのと
店主のベルナルダさんにその秘密を聞くと、
「生クリームをたっぷり使っているのよ」とのこと。
優しいベルナルダさんは、写真は恥ずかしいとのことでしたが、
お店の奥から日本人の友人にもらったというポストカードや、抹茶の筒などを持ってきて
色々お話をしてくれました。
いろいろと悩んだ挙句、結局一番ベーシックなアーモンドのマンテカード(ラードのクッキー)を購入。
直径5cmの、ほろほろくずれるアーモンドの焼き菓子です。
紙で包んで、袋に入れてくれました。
甘く香ばしい香りが充満する小さな店内で、ガラスポッドに入れられた素朴なクッキー。
ちょっと種類を紹介します。
- Delicias de queso(デリシアス・デ・ケソ) チーズクッキー
- Figachos(フィガチョス) いちじくとピスタチオのクッキー
- Lagrimas de hibisco ハイビスカスの涙 クッキー
- Pastas de azafrán サフランクッキー
- Pastas de cafe con naranja al curry コーヒーとオレンジにカレーの風味のクッキー
- Pastas de chocolate con limon チョコレートとレモンのクッキー
- Pastas de jengibre al salvia ジンジャーとサルビア風味のクッキー
- Pastas de romero ローズマリークッキー
これ、ほんの一部です。
あと、一つ特筆すべきこと。
このA troiaでは、予約制でTarta de Santiago(タルタ・デ・サンティアゴ)を作っています。
前日の午前中までに店頭または電話で予約すれば、翌日には準備しておいてくれます。
アーモンドとお砂糖、卵だけで作るこのタルトは、
町中のお土産屋さんでもたくさんパックして売られています。
値段も安いけれど、手作りのものと味は大違い。
このA troiaのタルトは、余計なものは一切入れない、本当のTarta de Santiago。
アーモンドの香ばしさと柔らかい甘さが口いっぱいに広がり、飲み込みたくないほどのもっちりとした食感。
ぜひ、Tarta de Santiagoを試すなら、このA Troiaのものを。
小さな小さなRua(通り)でひっそりと、ほがらかな女性が手作りのクッキーとパンを販売する、
おとぎ話に出てくるようなパン屋さん。
サンティアゴ・デ・コンポステラで迷子になって、ふと見つけたあのお店が、おとぎ話ではなく現実であることを願って。
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