こんにちは!北スペインの食と観光情報、そしてスペイン語学習に夢中なEriko(@greenspainplus)です。
その土地にはその土地のスイーツがある。スペイン料理は郷土料理だ!
ということで、スペイン中に散らばる、スペインの郷土菓子探求を始めます。
いつか、訪れるその日を夢見て。
メリンドレス
本日探求するのは、スペイン北西部ガリシア地方、
ア・コルーニャ県の内陸中央、サンティアゴ・デ・コンポステラから東に約50kmほど行った、メリデ周辺で有名、糖衣をかけた素朴な焼き菓子です。
手前がメリンドレス、隣はRicos(リコス)といい、メリデを代表するもう一つの焼き菓子です。
糖衣がかかっているのがメリンドレス、ゴツゴツしたのがリコス、左のトレイに載っているのがAlmendrados(アーモンドと砂糖のお菓子)、この三つがメリデの三大スイーツ。
地元の蜂蜜やバターを生かした焼き菓子を、夏の市場やお祭りでお母さんたちが売り始めたのが始まり。
メリデってどこ?
ルゴとア・コルーニャの境。
サンティアゴ巡礼においては、目的地のサンティアゴ・デ・コンポステラが目前、
気持ちを逸らせる巡礼者たちが寝泊まりし、通過してきた村メリデは、
現在は「ガリシアで最も甘い村」とも呼ばれています。
少し西に進むとアルスア、牛乳の風味がリッチなアルスア=ウジョアチーズの産地でもあります。
90年代には、人口約7,000人ほどの小さな村に20件のパン・お菓子屋さんが軒を連ねていたそうです。
メリデで行くべき老舗菓子店
メリデ、そしてガリシア全体の多くの菓子店が取り扱い、家庭で作られ愛されるメリンドレスですが、本拠地と言われるメリデの4軒の菓子店が力を合わせ、
伝統的なレシピ、素材を守るメリンドレスの原産地呼称取得のための活動をしています。
筆頭となる、メリデで6代に渡り菓子作りをしてきた老舗中の老舗、Casa Malchoa(カサ・マルチョア)は2021年9月から「個人的な理由」ということで、残念ながら再開未定の休業中となっています。
カサ・マルチョラのメリンドレス(奥)、リコス(左)、アルメンドラードス(右)
コロナの時期を超えて、また後継不足や、若者たちの田舎離れなどから、多くの菓子店が店仕舞いした中で、現在営業しているお店で一番古いのは、現在の当主が5代目となるDocería Estilo(ドセリア・エスティーロ)、カフェテリアも併設しています。
同じくメリデにあるPanaderia Tahona Bolleria(パナデリア・タオナ・ボジェリア)
タオナのメリンドレスはパッケージがローカルで良い感じ!
そして、Panadería Trisquel(パナデリア・トリスケル)は、伝統菓子だけではなく品質の高い新しめのパン・菓子も提供しています。
メリンドレスとは
小麦粉、砂糖、卵黄、清澄バター、アニス酒を混ぜて作った生地を細く伸ばして丸め、オーブンでカリッと焼き上げたものに糖衣をかけた焼き菓子です。
上述老舗ドセリア・エスティーロのメリンドレスはこちら
パナデリア・トリスケルのメリンドレスはこちら
メリンドレスのレシピはこちら
メリンドレスの歴史
実は、メリンドレスはいつ頃から作られたか、誰が作ったかは全く資料が残っていないとのことです。資料に残る一番古い「メリンドレス作り」の記載は20世紀初めと言われていますが、
1870年にメリデより少し南のポンテべドラの村、Silleda(シジェダ)で開業した菓子店Tábolaでは、1880年に地域のお祭りで出品したメリンドレスで賞をとったといった記録が残っていたりするようです。
ガリシア地方のお菓子は、修道院の影響からアーモンドを使ったものが多いと言われていますが、このメリンドレスも卵黄が使われていることから修道院由来のレシピが民間でアレンジされ広まった(修道院では卵白をワインの清澄にしようしたため、多くの卵黄が余った)可能性が高いと思われます。
最初は各家庭で作られていたことから史実には載らなかった、長い歴史を想像できます。
1993年、メリデでは、その伝統のレシピや味を守り、次の世代へ引き継ぐ目的から、Festa do Melindre(メリンドレス祭り)を初めて開催。
以来、年に一度5月の最初の週末に開催されています。
メリンドレス、リコス、アルメンドラードスと、ガリシア伝統の蒸留酒オルッホとのマリアージュ試食会や、制作過程のデモンストレーションなどが行われる人気のお祭りで、2013年にはガリシアの国民的重要観光祭礼(Fiesta de Interés Turístico de Galicia)に選出されました。
ガリシアで最も甘い村、メリデ。行くなら5月!