ガリシア・オウレンセに、「一度食べたら忘れられない」Bicaというケーキがあります。
ビカ Bica とは
スペインでは朝食やおやつやデザートに、パウンドケーキとスポンジケーキの中間のような食感の素朴なケーキ・総称ビスコッチョをよく食べます。フルーツが入ったもの、ナッツが入ったもの、ヨーグルトやシナモン、レモンが入っていたり、ジャムやチョコを練りこんだりと様々なバリエーションがあるビスコッチョですが、ガリシア地方、とくに南部オウレンセで、ビカと呼ばれるビスコッチョが日常的に愛されています。
ぼそっとしがちな一般的なビスコッチョに比べ、ビカはしっとり、ふわふわ、むっちりの質感。口に入れると卵とバターの風味が広がるしっとりケーキです。
ビカの種類
オウレンセの中でも、ビカが有名なのはオウレンセ中心市街から東に40kmほどのCastro Caldelas(カストロ・カルデラス)、同じくオウレンセから東に70㎞ほどのA Pobra de Trives(ア・ポブラ・デ・トリベス)と、南東に70㎞ほどのLaza(ラサ)の三つの村。
- Bica de Castro Caldelas(ビカ・デ・カストロ・カルデラス)は全卵・砂糖・粉・生クリーム・牛マンテカ・BPで焼く、一般的なレシピのビカ。
- Bica de Trives(ビカ・デ・トリベス)はカストロ・カルデラスと材料は一緒ですが、BPではなくパン種を使用することが多く、しっとりしつつどしっと重めの質感で、レモン・シナモンも効いています。
- Bica de Laza(ビカ・デ・ラサ)は泡立てた卵白・泡立てた生クリーム・砂糖・粉だけでBPなども使わずに焼く白いビカ。
ビカのレシピ カストロ・カルデラ風
最も一般的なカストロ・カルデラス風で焼いてみました。牛マンテカはバターで代用可能。またはバターを一回煮て、脂の部分だけを取り出したもの(マンテカ)で作るとなお◎
材料:約30 × 20 cmの長方形一個分
卵(大)・・4つ
グラニュー糖・・400g(うち30gほどは表面に振りかける用)
生クリーム・・200㏄(脂肪分35%以上のもの)
無塩バター・・200g
薄力粉・・400g
ベーキングパウダー・・17g
作り方
- オーブンは170度に予熱、型にペーパーを敷いておく。粉はBPと合わせふるっておく。バターは常温でポマード状態に。
- 卵をボウルに割り入れ、砂糖と合わせて泡立てる。(リボン状になるまで)
- バターと生クリームを少しずつ混ぜ入れる
- 粉を少しずついれて切るように混ぜていく
- 型に流し、表面に砂糖をまんべんなくふりかけ、オーブンに入れる。
- 170度で40分〜50分焼く。(竹串などで刺して何もつかなければOK)
基本の基本みたいな、超簡単なケーキです。
でもしっとりして、卵の味が素朴な味わい。
すっっごく甘いけど、朝のコーヒーにも、ワインにもリキュールにも合います。
バターを使うガリシアならではのビスコッチョ、ビカでした!
ビカのレシピ ラサ風
卵黄やバターを入れず真っ白く仕上げるラサ村の伝統レシピを作ってみました。
材料:約30 × 20 cmの長方形一個分
卵白・・6個分(冷蔵庫でボウルごと冷やしておく)
薄力粉・・260g(ふるう)
生クリーム・・200ml
グラニュー糖・・300g+50g(表面に振りかける用)
作り方
- オーブンは170度に予熱、型にペーパーを敷いておく。
- 生クリームを泡立てる。ぴんと角が立つまで9分立て
- 卵白を泡立てる。最初は強めに、白くなり始めたらグラニュー糖を3回にわけてなめらかに泡立てていく。こちらも9分立て
- 3のメレンゲにふるった小麦粉を何回かにわけて加え、メレンゲの泡をつぶさないよう切るように混ぜていく。
- 4に2の生クリームを何回かにわけて加え混ぜる。
- 型に流しいれ、トントンと気泡を抜いたら、表面に茶こしを使ってグラニュー糖をまんべんなくまぶす。
- オーブンで40分、串をさしても何もついてこなかったら焼き上がり
卵黄、バター入りの濃厚なコク、しっとり食感よりも、あっさりでふっくら。
表面にまぶした砂糖が焦げてしゃりしゃりなのも美味しいです。超超簡単&ガリシアの赤ワインに合います。
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