ぐりすぺが留学していたブルゴス(スペイン北部の街)では、このエスタシオンという言葉を使ったジョークがあります。
En Burgos no hay más que dos estaciones.
ブルゴスにはふたつのエスタシオンしかない
スペインも通常は四季がある国ですが、ブルゴスはスペイン一寒い街として知られているので、電車の駅がひとつ、季節は冬がひとつだけ、合わせて二つのエスタシオンしかないじゃん!というディスりジョークです。
というのは置いといて、
先日、神楽坂のエスタシオンに行ってきました。
Estación (エスタシオン) 神楽坂
〒162-0825 東京都新宿区 神楽坂3丁目6 カーサ ピッコラ 神楽坂1F
TEL:03-5225-3808
スペインの旬や土地のエッセンスを味わえるお店に、ということでスペイン語の”季節”の名前をつけて2015年10月に神楽坂の裏路地にオープン、スペインの古い町の小さいバルを思わせるような石造りの建物にガラス越しに見える温かい雰囲気の店内に、つい寄っていきたくなるお店です。
でもふらりと行くと満席で入れないこと多々ある人気店なのでぜひ予約を。
そして予約は可能であればキッチン台と段差のないカウンター席がおすすめ。シェフが作業するのを目の前に見ながら食事できます。
メニューは黒板から、アラカルトもよし、2名からデグスタシオン(おまかせコース)あり。
※2019年現在、21時までの利用はコースのみとなっています。
旬の食材や、シェフの地元三重・松坂の食材を使ったお料理が並んでいます。
エスタシオンはロゼが楽しい
スペイン産ロゼワインが食中通して楽しめる面白ワインラインナップがエスタシオンの特徴です。
軽やかでフルーティなロゼから、変わり種ロゼ、レア産地ロゼ、赤身のお肉にも合うしっかりロゼなどスペインロゼをフルに楽しめる貴重なお店です。
白、赤も好みに合わせて出してくれるので組み合わせ無限!
今回お料理はデグスタシオンをお願いし、ワインも合わせて出してもらうことにしました。
頂いてきたものたちいろいろ
最初の一杯目はガリシアのアルバリーニョ種100%のスパークリングワイン。瓶内二次発酵で作られるスパークリングはガリシア地方でも定着しつつあります。リベイロでは最近DOにも認められました。(たぶん。記憶が正しければ)
一般的なペネデス産カバと比べ丸みのある果実味、アルバリーニョ特有の酸味に食欲増強。
アルバリーニョのスパークリングはまだまだ日本ではレアなので、グラスでいただけてラッキー!
アペリティーボ(アミューズ)は手作りエンパナーダ(この日はツナとレーズン)、マンチェゴ&メンブリージョ、胡椒が効いた腸詰のサルチッチョン。
お皿はガリシアのワイン産地リベイラ・サクラでシェフが畑から拾ってきたスレート岩盤!
おしゃべりしている目の前で盛り付け作業が行われるのでデモンストレーション楽しいです。
鯖といちご。白いのはもちもちしたアルスア‐ウジョア(ガリシア産北部のチーズ)のソース。リベイロの白と。
二皿目は、カタルーニャの個性的な赤ワインと合わせる二皿目はキノコが包まれたフィジョアス(クレープ)。日本の旬のフレッシュきのこ4種にスペイン産の乾燥きのこ(トロンペッタ・デ・ラ・ムエルテ、死人のトランペットという怖い名がつくまっ黒のきのこ、風味がすごく良くてスペインでも人気の食材)が中にぎっしり包まれていて、上にはスペイン産の乾燥きのこ(センデリージャ、シバフタケ)を使った、こちらも風味の良いクリームソースがけ。
フィジョアス豆知識:
フィジョアス(Filloas)は、スペインのガリシア地方で食べられるクレープで、お砂糖やクリーム、ジャムをつけてお菓子としても、塩味の具を包んで前菜としても食べられます。本場では薪で熱くした四角い岩盤で薄ーく焼くのがクラシックスタイル。お隣アストゥリアスでは名前が変わってフリシュエロス(Frixuelos)他にも地域によって色々な呼び名あります。
ガリシア地方で作られるようになったのはローマ時代と言われていて、ギリシャ語の「薄い片」を意味する”phyllon”(水、ハーブ、はちみつ、卵、小麦粉を混ぜて焼いたもの)が定着したようです(語源の由来はWikiに頼りました恐縮)
ガリシア地方ではマタンサ(冬の豚の屠殺期)に豚の血で小麦粉を溶いて作る”血のフィジョアス”もポピュラーでお砂糖かけて食べるおやつだそうです。未体験。食べたい。
三皿目は牡蠣と季節の野菜のプランチャ(鉄板焼き)ピメントンが入ったアリオリ(手前オレンジ)とモホベルデ(奥緑、コリアンダーとニンニク)のソースと合わせて。
野菜は無農薬の三浦野菜を使用していてほうれん草も芯まで甘くておいしい。
四皿目はほくほく、バスクの黒豆・トロサ豆の煮込み。酸っぱい酢漬け青唐辛子をぽりぽりつまみながらというのが定番なんですが、お汁粉とおしんこの要領でエンドレスに食べ進めることができます。
野堀シェフのトロサ豆はあっさり、ナバーラ産のベリー風味ロゼと相性ばっちしでした。定番の具、モルシージャ(血の腸詰)はなんと鹿の血で作ったオリジナル。豚の血より臭みが少なくてあっさりしているとのこと。
そして、メインのお肉は仔羊と添え物にピスト(野菜の煮込み)クラシックなリオハの赤で肉をかみしめます、ああ美味しい。
デザートは色々盛り合わせて頂きました。左からタルタ・デ・サンティアゴ、バニラアイスにブラッドオレンジのエスプーマ、チーズタルト、タルトタタン、手前のソースはアングレーズ。
タルタ・デ・サンティアゴの表面に施されるサンティアゴの十字がかわいい。
野堀シェフ素敵なお料理をごちそうさまでした!
神楽坂はおいしいスパニッシュがたくさんありますね~、次はそろそろバルマコさんに行きたいっ!
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