バスクのホテル:17世紀末建立、立て壊しの憂き目に合うも復活した名家の館

PALACIO URGOITI

こんにちは!北スペインの食と観光情報、そしてスペイン語学習に夢中なEriko(@greenspainplus)です。

バスクを感じる宿選びならXarma(シャルマ)に掲載されているホテルを掘り下げてご紹介します。

二度目のバスク」または「バスク地方を深く知りたい」「ピンチョス巡りだけじゃないバスク旅行がしたい」旅行者におすすめ、バスク本来の自然、伝統、歴史に触れることができるホテルです。

Hotel Palacio Urgoiti(ホテル ウルゴイティの館)

住所:Arritugane s/n. 48100 Mungia ( Bizkaia)
https://xarmahotels.com/hotel-palacio-urgoiti/

ウルゴイティの館の歴史

元々は現在の位置から15kmほどのGaldakao(ガルダカオ)に17世紀末に建築された館は、14世紀からビスカヤの管轄区域の市長を務めるなど歴史的にも重要なビルバオの名家アダン・デ・ジャルサ家が長く暮らし、現在のビルバオ南部の内陸部の要所を抑えた有名な豪邸として知られていました。

1968年、ビスカイア県のビルバオとギプスコア県(サン・セバスティアンがある県)をつなぐ高速道路建築のため、一族の猛反対を受けるも館は国に没収され、解体されることになりました。

当時のアダン・デ・ジャルサ家の当主ホセ・マリア氏は館の解体の際にその石一つ一つに番号を振り、いつか訪れる復旧の機会を待つことにしました。

1983年、バスク地方を襲った未曾有の洪水災害で、保管されていた石や設計図などの資料のほとんどが失われます。

一族の歴史の館は二度の困難に見舞われることとなるも、その後手元に戻った一部の資料を元に、とうとう2004年、残った石を利用した再建が始まりました。

足りない部分の石は、当時の資料を元にサイズを調整し、基礎の石から一つ一つを組み立てていくまさにパズルのような作業だったそうです。

3世紀にわたって現在もなお同じ一族が所有する、稀有な再建の歴史を持つ中世の館です。

宿泊施設としてのウルゴイティの館

シングルルームから、スーペリオールスイートまで、さまざまな規模、装飾の43室を提供しています。

シーズンにより上下しますが、一般的なダブルルームは80ユーロ〜、スイートでも200ユーロ以下と、歴史的建造物に宿泊できるパラドール(国営ホテル)よりもリーズナブルな印象です。

隣接するゴルフ場やゴルフ練習場でのアクティビティも可能、ラグジュアリーなブティックホテルとして結婚式会場としても人気だそうです。

ビルバオ市街から車で15分程度と、田舎ホテルとしてはアクセスも良し、レンタカーを借りても良いですし、タクシーでも行き来問題なさそうです。

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レストラン、バル、プールも併設しています。

クラシカルで華やかな内装はロマンチック、カップルでの滞在にピッタリだと思います。

ムンギアで何を見る?

ウルゴイティの館から、ビルバオとは反対方面の北東へ向かうと、最寄りの街ムンギアがあります。

人口約17,000人、面積は52.12 km²と東京都足立区ほどの大きさ。

ムンギア市庁舎(Wikipedia

ムンギアは、「バスクのサンタクロース」オレンツェロ(炭焼きおじさん、クリスマスに山から降りてきて子供たちにプレゼントを配る)の家として知られるLandetxo Goikoaがあることが有名です。

Landetxo Goikoa(ランデチョ・ゴイコア)とは、バスク伝統の建築スタイルの農家の家が保存されているとしてバスクの宝石とも呼ばれる建築物です。

Wikipediaより引用(By Luistxo eta Marije – originally posted to Flickr as Izenaduba -Olentzeroren etxea-)

入り口にかけられた魔除けの花、ポーチにかかるツバメの巣、台所の炭と火、鎌に斧に蹄鉄。

1510年に建設されたこの農家の家は、現在ビスカイアに残る最も古い農家の家と言われ、バスクの農民の生活(動物を世話し、作物を育て、迷信に沿う伝統の生活)を現在でも見て感じることができる場所としてガイド付きのツアーも行われています(大人9ユーロ、英語/スペイン語/フランス語/バスク語で実施)。

予約:Tel: 946 740 061 olentzero@izenaduba.com

また、ムンギアはお祭り・青空市が多い街としても知られています。

特に有名なのは1月18日のSan Antontxu(サン・アントンチュ)、地元産の食品、加工品などのスタンドが並び、バスクの伝統音楽・ダンスのパフォーマンスやグルメコンテストなども開かれる華やかなお祭りです。

また、ムンギアの街の守護聖人San Pedro(サン・ペドロ)のお祭りは6月29日に開催され、トルティージャコンテストや煮込みコンテストが開かれるなど、地元の伝統の食品、料理を楽しむことができます。

これらこそまさに二度目のバスクで見るべきものであり、バスク本来の伝統、歴史、文化を見ることができるイベントだと思います。

一族が3世紀以上の長い間守り続ける山の中の邸宅に眠り、バスク山間部の伝統に触れる。

素敵な滞在になりそうですね。

PALACIO URGOITI

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