サン・セバスチャンの地元民おすすめバル
いろいろな名が挙がる中で共通して挙がった一件のバルの名、”A Fuego Negro”(ア・フエゴ・ネグロ)。スペインの料理用語で、A fuego lento(ア・フエゴ・レント、弱火で)という言葉を連想するけれど、ア・フエゴ・ネグロ(黒い火で)とは一体?
場所はParte vieja(パルテ・ビエハ、旧市街)の、人気バルが立ち並ぶ31 de Agosto通り。
サン・セバスチャン在住の友人に連れて行ってもらいました。
不思議な色の空が映った、あるサン・セバスチャンの夜。
ア・フエゴ・ネグロ A Fuego Negro
目的のA Fuego Negroへ。
名前の由来は、ブラックカルチャーを愛している3人が立ち上げたバルだからだそう。店内は黒を貴重にしたモダンな印象。店内奥にはグラフィティやアメコミタッチの絵画などその時々にチョイスされたアートが展示され、それを目当てに通うお客さんもいるとか。
そんなアートな空間で出される料理は、さらにアートで独創的な品ばかり。
ア・フエゴ・ネグロのピンチョス
”鳩狩り”という名がついた一皿。鳩の胸肉のローストには鉄砲の弾に見立てたアラザン、皿には血に見立てたベリーソース。”PUM!”(パン!)という効果音付き。
球形のボウルに入ったサラダ、”el globo”(地球)。シェイクしてからぱかっと開けられるようになっていました。石榴のソースが甘酸っぱくて爽やかでした。
数年前にタパスコンテストでグランプリを取った、”さくらんぼトーストにのせた鯵、チーズ、ミント”。生のぷりぷりの鯵がさいの目に、同じくさいの目に切られたヤギのフレッシュチーズがまろやかに、ミントの爽やかさと台のさくらんぼが甘酸っぱくアクセントになっています。台はメレンゲベースだと思います。さくっ、ふわっと溶ける食感。
”にんにくのリゾット”。しっかりアルデンテに仕上がって、チーズがうまく絡まっているけれど、イタリアンかと言うと違う。にんにくがしっかりと効いていて、これはやっぱりスパニッシュだと思いました。
”鮪トロの鉄板焼き、醤油エスプーマ”。レアに仕上げられたトロの鉄板焼きは表面が香ばしく、添えられた薄味の醤油エスプーマと見事にマッチング。日本人が嫌いなわけない組み合わせでした。
デザートは植木鉢?土の質感はまさにリアルだけど、すりおろしのスポンジをまぶしたようなチョコレートのアイス。根っこらしきものも混じっているので噛んでみたら、リコリス(スペインカンゾウ)の根でした。
これで葉っぱがもう少しリアルなら、検挙されるかもしれません。
ア・フエゴ・ネグロが面白いところ
このバルが面白いのは、Nueva Cocina(ヌエバ・コシーナ、斬新な調理法などを取り入れた新しいタイプの料理)がスタンディングで食べられること。
サンセバにはヌエバ・コシーナで有名なお店が多くあるし、スペインで一番星付きのレストランが多いことでも有名だけれど、このバルならジーンズにTシャツでふらっと、ハイレベルな料理が楽しめるというのは気軽だし、新鮮。
ワインも産地、種類ともに豊富なことも重要なポイント。
カウンターや奥のスペースにはスツールもあって、座ってじっくり飲むのも良し、目当てのタパスにさくっと一杯合わせて次のバルへ移動するも良し。
とにかくサンセバでは外せない話題のバルが、このA Fuego Negroです。
このバルでは本も出してます。”世界の最も革新的な料理本”にも選ばれたこの本は、美しい写真にコミック調の挿絵が斬新なレシピ本。
「こんな食材の組み合わせ?」というよりも
「このありきたりな食材の組み合わせがこんなことに!」という発見のある面白い本です。
バルで販売しています。価格は25ユーロほどだったかと。
週末はものすごく混み合うので気合いが必要です!
A Fuego Negro http://www.afuegonegro.com/
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