トゥロン Turrón とは

トゥロン Turrón

トゥロン

スペインのクリスマスに欠かせないお菓子、トゥロン。

主にTurrón blando(トゥロン・ブランド、軟らかいトゥロン)とTurrón duro(トゥロン・ドゥーロ、硬いトゥロン)の2種類は、どちらもアーモンド、蜂蜜、砂糖、卵白から構成されるお菓子。(写真右の2種)。

クラシックなトゥロンのバリエーションとして、上記のトゥロン生産で余った卵黄を使用したTurrón de yema(トゥロン・デ・ジェマ、卵黄のトゥロン/写真上)やレモン風味のTurrón de nieve(トゥロン・デ・ニエベ、雪のトゥロン)、カラフルなフルーツゼリーをアーモンドペーストの中に混ぜ込んだTurrón de fruta(トゥロン・デ・フルッタ)などや、現代風にアレンジされたTurrón de chocolate(トゥロン・デ・チョコラテ、チョコレートトゥロン/写真左)、ココナッツを練りこんだTurrón de coco(トゥロン・デ・ココ)、ヨーグルト風味のTurrón de yogur(トゥロン・デ・ヨーグル)、中にガナッシュを入れたTurrón de trufa(トゥロン・デ・トゥルファ)など、さまざまな種類のトゥロンが店頭に並ぶ。

クリスマスにはこういったさまざまな種類のトゥロンや、アーモンドと砂糖を練って焼いたMazapán(マサパン)、ラードとアーモンドの焼き菓子Polvoron(ポルボロン)など、伝統のお菓子をトレーに盛り合わせ、テーブルに用意する家庭が多い。

なぜクリスマスにトゥロンなの?

諸説あるものの、一般的には下記↓

昔、トゥロン作りは一年中は行われておらず、アーモンドを収穫した夏の終わりのみ、普段は農作業を行ったり、他の菓子を作っている職人が季節ものとして作ったもの。

アーモンド、蜂蜜、卵と、古くは値段の高い材料から作られるため、仕込みが終わった後は大切なクリスマスで食べる貴重なお菓子として広まっていった。

現在では年間通してトゥロンは販売されていますが、10月半ばを過ぎるとトゥロンの特設コーナーができるなど、スペインのクリスマスには欠かせないお菓子。

トゥロンの歴史

6世紀  アラブ人の医師がスペインへ「Turun」と呼ばれる「栄養食品」を持ち込む。ローストしたアーモンドを蜂蜜と練り合わせたもの。地中海沿岸からイタリアへ広まった。

15世紀 地中海沿岸北部のカタルーニャでは、アーモンドの代わりにヘーゼルナッツが、地中海沿岸南部のアンダルシアでは松の実が使用され、その中間に位置するヒホナでは地理的条件からアーモンドがそのまま使われた。特にヒホナのトゥロンはおいしいとされ、王室付きの調理人により全土へ紹介された。当時ヒホナを訪れた日本の3人の王子が、ヒホナの町の全ての家から熱した蜂蜜のにおいがする」といい、アリカンテの港からローマに向かう際に「毎年クリスマスにはトゥロンを食べます」と言ったという記述がその調理人が発行した本に書かれているとか。

16世紀 卵白が加えられるようになり、現在のTurron duroが定着した。

19世紀 お年寄りや子供も食べやすいようにと、Turron blandoが作られた。そのためBoixet(ボイシェ)と呼ばれる火にかけながらアーモンド、蜂蜜、砂糖、卵白を突き混ぜられる機械が発明された。

20世紀 より低温で加熱できるスチームタイプのBoixetが発明される(現在の形)。トゥロンの輸出が始まる。1937年に原産地呼称委員会が発足。

アリカンテの中心から車で40分ほど北上した内陸の町ヒホナで生まれたスペイン版トゥロン、現在ではTurrón de Jijona(軟らかいタイプ・長方形)とTurrón de Alicante(硬いタイプ・長方形)、Torta Turrón de jijona(軟らかいタイプ・丸型)とTorta Turrón de Alicante(硬いタイプ、丸型)の4種類が原産地呼称認定IGP(Indicación geográfica protegida)を受ける製品。



ヒホナとアリカンテ Turrón de Jijona&Turrón de Alicante

トゥロン・デ・ヒホナTurrón de Jijona トゥロン・デ・ヒホナ

Torró de Xixona トッロ・デ・ヒホナ(バレンシア語)

バレンシア自治州アリカンテの内陸の町ヒホナで作られる軟らかいタイプのトゥロン。

材料:アーモンド、蜂蜜、砂糖、卵白

使われるアーモンドはアリカンテ、カステジョン、バレンシアで作られる1.バレンシア(コムナ)、2.マジョルカ、3.モジャール、4.マルコナ、5.プラネタ、6.ラルゲタの6種類の品種で、皮を剥きローストされる。

蜂蜜は百花蜜、ローズマリー、サフランなどのアリカンテ、カステジョン、バレンシアで作られるものが使用される。

使用される機材や生産の過程も全てIGPの規則に準ずる。

商品に”Calidad Suprema”(カリダー・スープレマ、最高品質)と表示されているものは、蜂蜜の配合率が10%以上で、アーモンドの配合率が64%以上のものを指す。また、”Calidad Extra”(カリダー・エクストラ、特別品質)と表示されているものは、蜂蜜の配合率が10%で、アーモンドの配合率が50%のものを指す。” sin azúcares añadidos/sense sucres afegits”(砂糖不使用)タイプもある。

トゥロン・デ・アリカンテTurrón de Alicante トゥロン・デ・アリカンテ

Torró d´Alacant トッロ・ダラカン(バレンシア語)

バレンシア自治州アリカンテの内陸の町ヒホナで作られる固いタイプのトゥロン。

材料:アーモンド、蜂蜜、砂糖、卵白、Obrea(オブレア、白く薄く焼いた生地/左写真参照)

使われるアーモンドはアリカンテ、カステジョン、バレンシアで作られる1.バレンシア(コムナ)、2.マジョルカ、3.モジャール、4.マルコナ、5.プラネタ、6.ラルゲタの6種類の品種で、皮を剥きローストされる。

蜂蜜は百花蜜、ローズマリー、サフランなどのアリカンテ、カステジョン、バレンシアで作られるものが使用される。

Obrea(オブレア)は小麦粉と水などをあわせて薄く焼いた生地。トゥロン同士がくっつかないよう、手に持ったときべたつかないように付けられるようになった。

使用される機材や生産の過程も全てIGPの規則に準ずる。

商品に”Calidad Suprema”(カリダー・スープレマ、最高品質)と表示されているものは、蜂蜜の配合率が10%以上で、アーモンドの配合率が60%以上のものを指す。また、”Calidad Extra”(カリダー・エクストラ、特別品質)と表示されているものは、蜂蜜の配合率が10%で、アーモンドの配合率が46%のものを指す。” sin azúcares añadidos/sense sucres afegits”(砂糖不使用)タイプもある。

トゥロンの全てがわかる公式ビデオ(西語/23:05)

途中ヒホナで町を見学する日本人観光客の姿が映り、歴史上の「日本の3人の王子」の話がナレーションで流れる。最後に飛行機が世界地図の上を飛び、日本へ、ヒホナの思い出を写真で見ながら観光客の若者がトゥロンを食べるシーンがエンディングなのが親しみわく。

参考:Consejo Regulador de Jijona y Turrón de Alicante

 



70,988 total views, 10 views today

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です