アストゥリアスで作られる数えきれない美味しいチーズのひとつ、カシン。「シ」にアクセントです。
ケソ・カシンについて
生産地のひとつであるCaso(カソ)の名前がついたチーズ。
2016年から4軒のチーズ農家が年間9,000トン生産(4軒合計の売り上げは年間約20万ユーロ)、うち50%がアストゥリアス州外で販売され、輸出は2%(アメリカ、ベルギー、オランダ、イギリス、スウェーデン、アラブ首長国連邦など)生産者が少なく供給量が限られてしまっているため、地元では常時若い生産者を探しているようです。(2021年では3軒になっているので、生産者は減ってしまった様子・・)
毎年9月にカシンチーズのお祭りが行われ、チーズコンテスト、チーズを使った料理コンテストをはじめ、土着のカシーナ牛のお料理も振る舞われるそうです。
参照:El queso casín quiere más productores
ケソ・カシンの生産地
アストゥリアス南部、Caso(カソ)、Sobrescobio(ソブレスコビオ)、Piloña(ピロニャ)の三地域で作られます。原産地保護呼称(DOP)に認定されています。
ケソ・カシンの特徴
牛の全乳(生乳、熱処理なし)のチーズです。地域のCasinaと呼ばれる土着種の牛からミルクをとります。この牛は古くからアストゥリアスで乳牛、肉牛、作業家畜として重宝されている種です。
こってりとしたクリーミーな口当たりと熟成による辛味、強い香りが特徴のチーズです。中級者向け。
円筒形または円盤形で、セミハードまたはハードタイプがあり、生産者によって異なる美しい型押しの模様が特徴です。
スペイン、または世界でも最も古いチーズの一つと言われるカシンチーズですが、最も古い記述は14世紀ごろの文献と言われています。専門家によると、その製法や使用する器具の古さから「新石器時代とイベリア半島の最初の入植者が作っていた」という説もあるそうです。
ケソ・カシンの生産者
元々各農家で作られている手作りチーズで、販売用に製造しているのは2019年時点で4メーカーと言われていますが、2021年時点、DOP Queso casínのページで紹介されている生産者は3軒でした。
Quesería Redes ケセリア・レデス
HP:http://www.elquesocasin.com/
住所:El Llano 18, Reciegos, Campocaso(GMap)
カシンチーズのパイオニアと言われる作り手です。ホテルも併設しているので見学にはこちらが良いかもしれません。
▼レデスのチーズ職人、Natalí Lobetoさん
▼ホテル
Quesería Artesanal Ca Llechi ケセリア・アルテサナル・カ・ジェチ
Piloñaで手作りのチーズを作る農家。
住所:Moruxones, Pintueles. Piloña 33540 Asturias(GMap)
▼カ・ジェチのAlberto Valiente さん
La Corte ラ・コルテ
2014年創業の新しいチーズ農家。
住所:Tanes 18, 33994 – Caso (Asturias)
▼ラ・コルテのFran Cueriaさん
ケソ・カシンの作り方
凝乳の後、水切りして布で包み、3日以上水気を切ります。その後、カードをこね、ローラーを使って伸ばして丸める作業を繰り返し、最終的に250〜600gの球体にまとめます。
熟成前に、職人の名前やコード、町の名前または幾何学の模様を形押しします。元々は木製のレリーフが使われていましたが、現在はアルミ製やプラスチック製も使われています。
形押し後、最低2ヶ月間〜熟成させます。
上記の作り手「レデス」の作り方動画がありました。
ケソ・カシンの生産者を訪ねたい
前述のRedesは最も老舗であり、ホテル併設ということでぜひ訪ねてみたいです。
チーズショップも併設。味見して購入できます。
ホームページは英語版もあり、コンタクトフォームから予約できます。
http://www.elquesocasin.com/queseriaredes/