スペイン北西部ガリシア州の州首相府は、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂目の前のPazo de Raxoi(スペイン語ではPalacio de Rajoy)が使用されています。また、このPalacio de Rajoyはサンティアゴ・デ・コンポステーラ市庁舎として併用されています。
ガリシア自治州首相府の住所
Praza do Obradoiro, 15705 Santiago de Compostela, A Coruña, スペイン
ガリシア自治州首相府の建物
1766年、サンティアゴ・デ・コンポステーラ教会の大司教Bartolomé de Rajoy y Losada(バルトロメ・デ・ラホイ・イ・ロサーダ)の名により神学校として建設開始された建物です。正面にはレコンキスタにおいて伝説的なClavijoの戦いの様子が描かれ、ファサード上部には聖ヤコブの像が置かれています。
向かって右側にはカトリック両王が建設した施療院(現在のパラドール)、左側にはサン・ヘロニモ大学(現在はサンティアゴ・デ・コンポステーラ大学長本部)があります。
神学校が建設される前には、この場所は司教区と市議会が重複して所有権を持ち、刑務所、教会施設、西からの侵攻に備える町の城壁の一部などが建っていました。
1764年、市議会は二つの刑務所の間に市役所を建設することを発表しますが、同じくして大司教バルトロメ・デ・ラホイは、その場所に神学校と、大聖堂の聖歌隊の子供達のための宿舎を置くことを画策していました。この二者の争いに、さらに王立病院が所有権を名乗り出、財産の侵害を訴えることで三者による争いに発展しています。
1767年、ガリシア総司令官と王室が介入、3月13日にはコンポステーラ修道院、神学校、刑務所の建設が決議され、バルトロメ・デ・ラホイ大司教の案が採用されたことになります。
以来20世紀に入るまで、Pazo de Raxoiは①神学校②刑務所(建物裏側の地下)③聖職者や関係者の宿舎として使用され、その後民主化されたのちにガリシア自治州首相府、そしてサンティアゴ・デ・コンポステーラ市役所として機能しています。
18世紀後期に、啓蒙思想や革命精神を背景として、フランスで興った建築様式(ロココ芸術の過剰な装飾性や軽薄さに対する反動として荘厳さや崇高美を備えた建築が模索された by Wikipedia)であるneoclásica(新古典主義建築様式)としては、シンプルで美しい直線がスペイン随一とも言われています。
ガリシア自治州首相府 Pazo de Raxoi への行き方
サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂の正面門目の前、オブラドイロ広場を挟んで位置しています。