こんにちは!北スペイン料理研究家のEriko(@erikogreenspain ) です。先日10年ぶりにバスクを訪れることができ、念願だったMondejua「白いモルシージャ」を食べることができました。
バスクのモルシージャ、モンデフアとは
実は2020年にどこかでこの白いモルシージャについて見ていつか食べたいと記事「【バスクグルメ】こんな腸詰も見つけた。モンデフア」に書いていました。
元々「モルシージャ」というのはRAE(国立スペイン語アカデミー)によると、
豚肉、羊肉、牛の腸の切れ端、または同様の材料に調理した血液を詰め、香辛料と多くの場合玉ねぎで味付けし、通常は米、松の実、パン粉などの他の材料を加える。
というもので、血液が入ることが特徴的な腸詰になります。
しかしこのバスクのモンデフアは、「白いモルシージャ」と呼ばれ、血液は入りません。
実は、このモンデフアには白と黒があり、黒には血液が入るのですが、これが通常のスペイン全土で一般的に食べられるモルシージャ(豚の血液)とは違い、羊の血液で作られます。
白いモルシージャは土着の羊ラチャ種の屠殺時にでる脂を利用して、ねぎ、卵などを混ぜたタネを羊の腸に詰める白バージョンになります。
お肉だけではなく、皮や腸や脂まで捨てない文化からできた食品ですね。
2020年に調べた際には、屠殺の際に余る色々な部位が混ざるためなかなかどうして複雑な(ドギツイ)味だったものが昨今ではだいぶソフトになっている、という記事を見たのですが、とはいえ一体どんな味なのでしょうか?
モンデフアを実食した
プリンプリンです。羊の脂の香りがしますが、決してキツイ香りではなく、香ばしい美味しい香りです。
ねぎの甘みがきいていて優しいお味。血液のモルシージャより、見た目がソフト(お葱がちらほら、硬めの茶碗蒸しのような見た目)
食感はまさに血液のモルシージャのような(お米入りではないやつ)ふわふわなんですが、卵が入っているせいか、しっかりぷりっとしていました。
美味しい・・・・!
もちろん農家が自家製で作るものなどはもっと強い味わいのものもあるかもしれません。
以前、近隣のイディアサバル(チーズで有名な村)の農家で購入した羊肉のチョリソは、強烈な味わいがありました・・・
しかしこれは歴代チャンピオンとも言える有名なお肉屋さんの製品なので、味わいも綺麗に作られていると思います。
塩も強くないので、いわゆるイメージする、パンと一緒に食べる腸詰というより、なんでしょうね、パテとか、蒸した白身魚のムースみたいな、そんな「おかず」的な腸詰でした。
白いモルシージャ、モンデフアが売っているお店
バスク内陸、モンデフアの生産地域の中心にある街、ベアサインでも多くの賞を獲得している有名なお肉屋さんを事前に調べていました。
OLANO オラノ
住所:Calle de, Andre Mari Kalea, 3, 20200 Beasain, Gipuzkoa
なんと偶然、この日ベアサイン→オルディシアを案内してくれた「トロサ豆の神様」ロベルトさんの「ずっと」のお肉屋さんでした。
スペインでは家庭ごとに「この肉屋」「このパン屋」「市場ならこの魚屋」など、贔屓のお店が決まっていることが多いです。
今回は10年ぶりのバスク訪問、楽しみすぎて、ベアサインの短い滞在時間の中で2軒行きたいお店をピックアップしていたのですが、どちらも地元のシェフのお墨付きのお店だったので嬉しかったです。
店内には、たくさんの文字入りベレー帽が飾ってありました。これは、コンテストのトロフィーのようなもの。
このお肉屋さんの商品がこれまでにたくさん受賞していることがわかります。
※音が入っています
2023年のベアサイン・モルシージャコンテストでも一位を受賞!
小さな店内ですが、いろいろな種類のお肉、加工品が並んでいます。こういうお肉屋さんが近くにあるのは本当に羨ましいです・・!
実は、白いモンデフアは冬の食べ物(12月の屠殺の時期に仕込みます)。
今回、もしかするともう残ってないかも・・と言われたのですが、オーナーが奥から出してきてくれて今回試すことができました。
すでに火を通してあり、真空のままお湯で温めると食べられます。
バスクで、冬〜春にキッチン付きの宿に泊まる方でしたらぜひ、ベアサインのオラノさんで購入してみて欲しいです。
なんか美味しそうな、調理済みのお惣菜の真空パックもたくさんありました・・・!(最高!)
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