始まりは2019年5月のこと
毎朝読んでいるガリシアの新聞La voz de Galiciaのトップ記事に、こんなニュースがありました。
Michi, el perro perdido en el Camino que encontró un hogar en Japón
(巡礼路の捨て犬Michi、日本に居場所を見つける)

2019年5月、UchiiさんとHayashiさんの二人の日本人巡礼者がサンティアゴ巡礼の道を歩いている時、ガリシア・ルーゴ県のパラス・デ・レイの手前で、二人に付いてくる黒い犬がいることに気づきました。
二人から離れない犬が飼い主のいない捨て犬だとわかり、二人は地元の市民団体に犬を託しました。
それぞれの道を進む
二人はそのまま巡礼路を進み、黒い犬は市民団体の保護施設に引き取られました。
道を行く二人の間で、どのような会話があったのでしょうか。
巡礼を終えた彼女らは、なんと市民団体に連絡を取り、黒い犬を再び迎えにくることを約束。
彼女らが戻るまで、食べるものや身の回りのものに困らないよう1,000ユーロを寄付したそうです。
黒い犬を保護した団体のラケルさんによると、とても人懐こく、スタッフ全員に愛され、もちろん寄付のおかげでご飯などに困ることなく過ごしているとのこと。
再び、クリスマスに再会する
UchiiさんとHayashiさんが迎えに行く日、それは2019年12月24日、クリスマスイブ。
ビルバオからパリ経由で、黒い犬と大阪のお家へ帰るとのこと。
巡礼の道で出会った黒い犬に、二人は「Michi」という名前をつけたそうです。
ぐりすぺの余談
実はぐりすぺも、赤羽の保護施設で白い犬と出会い、今年9月におうちへ迎えました。最初は目も合わせなかった痩せた子でしたが、一緒の時間を過ごす間にこんな笑顔を見せてくれるほどに。

藤沢に暮らしているので、赤羽に迎えに行くときは遠いな〜と思ったものですが、今回Michiを引取ることを決めたUchiiさんとHayashiさんの足元にも及ばなかった!
サンティアゴ巡礼の道は、経験した人たちに聞くとみなさん口を揃えて、「カミーノマジック」がある、と言っていました。
出会いがあるんですね。
スペインでは、クリスマスに子犬をプレゼントすることが流行り、犬がある程度大きくなり子犬ではなくなる頃の翌年夏前、長期休暇に行く前に犬を捨てるという動きが今もなおあり、大きな問題になっています。クリスマスにプレゼントされた犬が捨てられる確率、なんと実に40%。半数に近い犬が、数ヶ月で捨てられている悲しい現実がスペインにはあります。
クリスマス前には「犬をプレゼントにしないで」というキャンペーンが行われるほど。
Michiももしかしたら、そんなクリスマスプレゼントの子だったかもしれません。
10,000kmの距離を超えて、道で交差した一匹の犬、Michiと二人の女性が、幸せなクリスマスを一緒に過ごすことを祈って。
参照:La voz de Galicia “Michi, el perro perdido en el Camino que encontró un hogar en Japón”
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