ガリシアの豆の村、ロウレンサーへ行ってきました!
こんにちは!北スペイン料理研究家のEriko(@erikogreenspain ) です。ガリシア州の豆どころ、ロウレンサー(Lourenzá)に行ってきました。ここの名物はふっくらとした白インゲン豆。
しかし、結論から言うとタイトルの通り、豆の村に行ったのに豆が食べられなかった話です。豆が食べられなかったからこそ、もう一度行かなくてはいけない村、ロウレンサーの美しい見所をメモしておきます。

ロウレンサーへの行き方
ガリシアの豆の村、ロウレンサーは、ガリシア州ルゴ県北部に位置する、巡礼路が通る街です。
私は今回、サン・セバスティアンからガリシア・リバデオに入りルゴ方面へ南下していくルートでロウレンサーを通りましたが、通常はルゴからバスで2時間ほどのルートになると思います。
正直どの街からもアクセス悪く観光地としては選ばれない場所ですが、サンティアゴ巡礼の道の北の道を行ったことがある方は通る(&宿泊することもあるでしょう)村です。


なぜ豆の村で豆が食べられなかったのか
理由は、風邪をひいて寝込んでしまったからでした・・・。
ただ、実は豆を食べる前にこの村でしたかったことがもう一つあったのですが、体調最悪の中それに果敢に挑んだ結果、寝込んでしまったという経緯があります。
もう一つしたかったこと、それはトルティージャが丸ごと包まれたエンパナーダを食べるです。ロウレンサーから4km先にある集落ア・ボティーニャ(A Voltiña)にある、同名のバルA Voltiñaでは、トルティージャ・デ・パタタを丸ごと入れたエンパナーダが有名で、他にはないその独創的な(?)エンパナーダを絶対に絶対に食べたいと前々から思っていました。
そのエンパナーダについては下記のページが詳しく写真を載せています。
ロウレンサーに来れたこのチャンスを逃してはいけないと、おそらく高熱が出始めた朦朧状態で、雨がちらつく中レインコートを着てロウレンサーからア・ボティーニャへ歩くことにしました。絶対食べたかった!
しかしここでも結論から言うと、呼吸困難になりながら4km歩いてたどり着いたバル、ア・ボティーニャは(Googleでは「営業中」マークがついているにもかかわらず)しっかりとドアもカーテンも閉まっておりお休みの看板がかかっていました・・・。
恐ろしく肩を落とした発熱おばさんは、そのまま元の道を引き返すことになるのでした。
それを踏まえて、北の道(サンティアゴ巡礼路)の風景を少しご覧ください。
ロウレンサーを通り過ぎる北の道
村のメイン通りから急な坂を登っていきます。いつでもこちらに出られる牛が私を睨んでいました。

ね、睨んでるでしょ。

村を出るあたりに、寂れた墓所がありました。しかし人がひっきりなしに訪れるようで、反対側にはお花がたくさん備えてありました。

Google mapで道をある程度予習していたのですが、思ったより山道でした。

思っていた道よりもだいぶ山道だったので躊躇しましたが、エンパナーダを目指して歩を進めました。

さらに近い距離にまたもう一頭、じ〜〜〜〜〜っとじっくり見られました。
山の中がかなり長いパートだったんですが(半分以上は山の中 ※下記の地図参照)、かなりの登り坂で呼吸が辛すぎて写真はありませんでした。
山を降りると、あとは真っ直ぐ。

ここはロウレンサーの隣のグロベという集落。写真の右奥に見えるのが、目指すバル – レストランでした。

北の道は、さらにもっと真っ直ぐ、次の村モンドニェドへ向かいます。サンティアゴ・デ・コンポステーラまでは140km。あと1週間ほどといったところでしょうか。
本当に一部だけ(往復で8km)ですが、巡礼の道をなぞって歩けたことは嬉しかったです。ちなみに帰り道に、歩いている巡礼者に3人ほどすれ違いました。自転車の巡礼者にも4~5人すれ違い、一人逆方面でちょっともじもじしました。
ロウレンサーのおすすめの宿
ロウレンサーは北の道が通る街なので、巡礼者用の宿泊施設がいくつかありました。
私が選んだのは、村の中心の修道院兼教会兼役場からすぐのALBERGUE CASTELOSでした。ここがすごく良かった。

ALBERGUE CASTELOSは村の典型的なアルベルゲ(巡礼宿)ですが、個室が1部屋ありそちらをチョイス。2024年6月時点で44.55ユーロでした(劇的に円安だったので日本円で7,054円)。

壁が剥がれていますがご愛嬌。
入り口はこんな感じ。

最初誰もいなくて、ベルを鳴らしても誰も来なくて、ドアに書いてあった番号に電話してやっと、掃除機をかけていてベルに気づかなかった働き者のお父さんが出てきてくれました。
一度チェックインしてしまえば、入り口の脇に取り付けられているキーボックスへ四桁の数字を入れて鍵を出し入れできるのですが、ほとんどドアは開け放たれていました。平和。
宿に入って受付を過ぎると、一階部分には共同のキッチンと個室があり、2階が大部屋でした。
個室はドアを開けたらこんな感じ。

立派!可愛い!けど石造りで驚くほど寒い!
ベッドの脇には大きな鏡のドレッサーもありました。
窓は閉められていて日は入らず。この石の壁素敵ですよね。ですがめちゃ寒い。

広い(寒い)洗面室+シャワールーム。大きなクローゼットの中には毛布も用意がありました。

シャワースペースは、何が正解なのか、結構水が流れる作りになっていて床全体へ水が流れました。でも打ちっぱなしの床なので水はけは良い感じでした。

洗面所も綺麗。

8km無駄に歩いて宿に戻った時はまだ夕方だったので、ベッドで毛布にくるまって休憩しようと横になったが最後、不覚にも朝まで寝込んでしまいました。
翌日のこと、部屋から亡霊のように出てきた私へ、もう朝から元気に掃除していた宿のお父さんが「昨日みんなで豆食べに行ったのに!Erikoも誘おうと思ったのに部屋から出てこないから心配してたけど、声かけたら可哀想かと思って」と、すでに風邪をひいて辛いというのはチェックインの時に話していたので、無理に起こさなかったとのことでした・・涙
お父さんはどうやら毎晩、宿に泊まる巡礼者たちを連れて名物の料理を食べに行ったり、ビールを飲んだりするそうで、その晩はイギリス人とイタリア人と豆を食べたとのことでした。
元気だったら絶対に行きたかった!
そんな温かい出会いがあるのも巡礼宿ならではかもしれません。
ちなみにその日はもう次の村へ行く予定だったのですが、お父さんが、近くの地元のバンドがコンサートをやるから一緒にみんなで昼ごはんを食べてコンサートを見に行こう、と誘ってくれました。
それもまたとても嬉しかったのですが、バスの予約をすでにしていたのと、次の村でも食べなくてはいけないもの、見なくてはいけないものがあったので、手を握り合ってお礼を伝え、また次回と約束したのでした。
北の道を歩く方で、ロウレンサーに泊まる予定がある方は、ぜひこの宿を候補にしてください。
そしてぜひお父さんとご飯を食べに行って欲しいです(強面だけど、話すと優しい。英語しか話せない巡礼者とも、スペイン語だけで明るく話していました笑)。
(お父さんとの写真もなかった、すごく残念!!私もまた、お父さんに会いに行きます)
ロウレンサーで豆を食べるならここ(でした)
何ヶ月も前から調べておいたのに結局豆を食べることはできなかった、村で「豆を食べるならここ」のレストランは、O Pipote(オ・ピポテ)

悔しすぎて翌日、念の為ちょっとお豆食べれないかなと立ち寄りましたが、お豆はありませんでした。
その代わり、昔から大好きな大きなチョコデニッシュ、ナポリターナを大きなカフェ・コン・レチェとともにいただきました。

お店は入り口すぐはバルスペース、奥に食堂があるTheスペインのバルレストランスタイルでした。
ランチまたはディナータイムには、こんなお豆が食べられます。ファバーダに似てる。
ああ、食べたかった。
ガリシアといえばのカルド(野菜・肉入りスープ)もお豆が美味しそうです。
お豆はスーパーでも買えます
お豆は食べられなかったけど、スーパーで買うことができました。IGP(産地呼称)のお豆は1kgで約8ユーロ。呼称認定なしのお豆とは全然価格が違いますね。

すごく小さな村なんですが、ガリシアに多いスーパー「GADIS」が通りに一軒、さらに道を挟んで修道院の先には大きな「EROSKI」もあって便利でした。
ちなみに村外れには豆の専門店もありましたが、寝込んでいたので行けず(行けなかったところばっかり!)
また、ぜひリベンジしたい村です。
ロウレンサー、とても素敵な温かい村でした。
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