スペイン料理とワインの店 Arashida
〒248-0014 鎌倉市由比ガ浜2-7-20-2F
電話番号 0467.67.8320
営業時間 17:30-25:00 (24:00L.O)
定休日 水曜日
念願のアラシダさん行ってまいりました。
最寄駅は江ノ電和田塚駅だそうですが、鎌倉駅からも徒歩10分圏内。
オーナーシェフ嵐田憲和さん、バスク・サンセバスチャンの名店ZuberoaスベロアやビルバオのAzurmendiアスルメンディでスペイン料理を学んだのち帰国、2010年に鎌倉にArashidaをオープン。
窓側にテーブル席が数席、やさしい光と落ち着いた内装の中に、オープンキッチン。カウンター席とその後部に一段上がって4人がけのテーブル席。全体の広々とした暖かい空気感は鎌倉ならではでしょうか。
メニューはアラカルトと嵐田シェフのスペシャリテを集合させた5500円のコースが一種類。
「スペイン料理とワインの店」、ワインメニューも白・赤ともに豊富なバリエーションです。
まずはカバを頂いてから食事メニューを熟読。
お通しで頂いた自家製燻製バターのトーストをかじりながら。ほわりと漂う暖かい燻製香、おいしー!
”ウニを沈めたコンソメゼリー、カリフラワーのババロワと共に”、”トマトのコンソメで火を通したハマグリとお野菜の軽いスープ仕立て”、などモダンな印象のメニューの中に、”鱈のピルピル”や”鶏のピトゥ風”などのクラシックメニューが散りばめられている印象。
”伝統料理をブラッシュアップした料理や、スペインでも忘れ去られつつある手間のかかる地方郷土料理、スペインで学んだ大切なことを、この鎌倉の地で表現できれば幸いです” Arashida ホームページ Conceptより引用
とあるように、嵐田シェフがスペインで見てきたものたちが、一冊のメニューブックにまとめられて表現されている感じ。
シェフからもおすすめをお伺いして、まずは前菜から前述の”ウニを沈めたコンソメゼリー、カリフラワーのババロワと共に”、並んで表記されていたズワイガニのコンソメゼリー・トマトクリームソース、そしてシェフにとって思い入れがあるという”フォアグラのムース ペドロヒメネスの二層仕立て”を。
カクテルグラスに入った”うにを沈めた・・”と、”ズワイガニの・・”、辛口のカバと相性よくつるつる口に入ります。しかし!白いお皿のフォアグラのムースにどきっ!濃厚な栗のペーストを食べているかのようなコクと深い味わいのフォアグラムース(ムースというより、濃厚なクリーム)とペドロヒメネスの甘酸っぱいソースたまりません。
後ほど赤ワインを頼んだ際におかわりを頂く結果となりました。その際伺ったのは、このフォアグラのムースはサン・セバスチャンのスベロアで感銘を受けた一皿だとか。
まずは白。Etim エティム D.O.モンサンのガルナッチャ・ブランカ100%、やわらかい樽香と果実味のバランスがよく軽やか。
サーモンとポテトのサラダ。クリーム状になったポテト、刻みいれられたハーブが爽やかで白ワインが進みます。
メニューに載っていたら絶対頼んでしまう鱈のピルピル。肉厚のぷりぷりの鱈と濃すぎない乳化ソースでまた白ワイン進みます。おいしい。
スペイン料理特集の月刊専門料理でも掲載されていた”桜姫鶏のピトゥ風”
アストゥリアス地方の放し飼い鶏で作られる伝統の煮込み料理。
これはアストゥリアスのミシュラン2ッ星Casa Marcialカサ・マルシアルで研修していた際に学ばれたお料理とか。
手間がかかるのことで忘れられていく郷土料理たち、アストゥリアス政府はアラシダさんになんか賞を贈ったほうがいいと思います。
香ばしくコクのあるソースとやわらかいやわらかい鶏肉、このソースとパンだけでしばらく過ごせると思いました。
合わせた赤はリベラデルドゥエロの定番、プラド・レイ。白のチョイスは「飲んだことのないワイン」で選びましたが、赤はつい、安心感のあるものを選んでしまうのがほろ酔いのお約束。
お代わりしたフォアグラのムースとまた、最高の相性。
最後に嵐田シェフから頂いたアロス・コン・レチェ。なんでこんなに、なんで?なんで?と連発してしまうもちもちの食感。お尋ねするの忘れてしまいましたが、なんででしょうシェフ?ただ煮ただけではないとろとろのもちもち、そうそう、スペインで食べたのはこういうやつ!という味。
現在ではスペイン全土で食べられている定番デザート、お米のミルク煮 Arroz con leche アロス・コン・レチェ は、ミルクのおいしさが鍵となり、乳製品天国アストゥリアスのものが一番と言われています。
正しく美味しいアロス・コン・レチェを提供する嵐田シェフを、アストゥリアス政府は大使に任命するべきです。
シェフとぱちり。美味しくて満面の笑みでごめんなさい。
繊細、やわらかい、やさしい。アラシダさんのスペイン料理には、嵐田シェフがいらっしゃった各地への愛が詰まっていると感じました。
また絶対行きたいです。
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