スペインワイン会「クロス・モガドールの巻」

スペインワイン会


2015年第一回スペインワイン会「クロス・モガドールの巻」無事終了いたしました。

久しぶりのスペインワイン会、しかも今回はワンオペ挑戦、どきどきして前夜の眠りの浅かったこと!

場所は武蔵小山の住宅街の中にあるバー、「Octant」(オクタント)

カウンター8席のみの隠れ家バー、盛り上がりました!!

お料理もきちんと出せるか不安でしたが、優しいみなさんのおかげで楽しく作り終えることができました。

お足元悪い中ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

フエとパンコントマテにカバで乾杯

スペインワイン会

少し火入れが足りなかった!オーブン焼き野菜

スペインワイン会

野菜ソースがからむ豚肉のミートボール

スペインワイン

プリオラトの郷土料理「Truita amb suc」トゥルイタ・アム・スック

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珍しい「煮込みトルティージャ」です。アーモンド、くるみ、松の実、にんにくベースのスープで鱈を煮て、そこにほうれん草と白いんげん豆入りノトルティージャを投入、ぐつぐつする代物。
淡い味わいのオムレツと塩鱈に、濃厚なナッツソースがとろとろと染みる、冬にぴったりの一品。

ぐりすぺが好きなデザート第二位のフラン。砂糖と卵と牛乳だけの(今回はチョコを少し入れましたが)素朴フランは、マットな味わいの赤ワインに良く合います。ちなみに好きなデザート一位はクアハーダです。

チョコレートフラン

スペインワイン会

(一部写真は参加者さまより拝借)
今回のワインアイテムはこちら

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スペイン・カタルーニャ州内陸のD.O.Q.プリオラトのスーパーワイナリー、「Clos Mogador」の5本のワインを楽しみました。

クロスモガドール2010

マニェテス2008/2009

ネリン2009/2010

下記、バルセロナ在住のワインスペシャリスト佐武祐子さんから頂いた、プリオラトおよびクロスモガドールの説明で復習!

(料理のトゥルイタ・アム・スックも、祐子さんに教えていただきました。祐子さん、ありがとうございました!)
プリオラートの郷土料理 Truita amb suc
by 祐子さんのブログ→ El Vino Nos Habla

また、スペインワイン会企画いたします。告知をお見逃しなく!

Twitter:ぐりすぺ

Facebook:ぐりすぺ

 

【プリオラートという産地】

https://goo.gl/maps/Q7FI8

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プリオラートはバルセロナから車で南西に2時間ほど、地中海から30㎞ほど内陸にある3方を山に囲まれた山間の小さなエリアです。
粘板岩土壌に覆われ、カリニェナ、ガルナッチャが多く栽培されます。
ワイン造りの長い歴史があるプリオラートの発展のきっかけは2度ありました。
1度目は12世紀、シャルトリューズ(カルトジオ)派の修道士たちがローヌからやってきて修道院(エスカラ・デイ)を建て、
ブドウを持ち込み、ワインを造りを始めたことです。これにより高品質ワインが造られ、
アルコール度の高い色調の濃いワインは欧州に多く輸出されるようになりました。
2度目は1985年頃から起こった改革、いわゆる「4人組」といわれるレネ・バルビエを中心とするヴィニェロンが
この地のポテンシャルに魅了され、近代醸造技術を駆使し、フランス品種も取り入れ、
テロワールを表現する高い次元でのワイン造りを始め、あっという間に世界的に高い評価を得るようになりました。
この礎が築かれたことによりプリオラートは更に進化を遂げています。

【クロス・モガドールの畑】

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標高450mの畑に白ブドウをメインに植え、350mの醸造所近くの畑で黒ブドウを栽培、ブドウのクオリティを最重視し、力強さと繊細さ、濃さと軽やかさが同居する素晴らしいワインを造ります。
「自然との共生」をモットーに、バイオダイナミックス農法によるブドウの栽培を行っています。

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【醸造所】

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「クロス・モガドール」は過去 5 年間において自社所有の単一畑のブドウのみで造られ、過去 10 年国際的に高い評価受け、且つDO に含まれるとしてスペインで唯一「Vino de Finca(ビーノ・デ・フィンカ)」の認定を受けたワイン。
また、いわゆるフランスの AOC ヴィラージュにあたる呼称「Vino de vila」をスペインで初めて DOC プリオラートの導入への動きの先頭に立ったり、フィロキセラ以前に栽培されていたという20品種以上の固有品種について研究、積極的にワイン造りに活かしたり、プリオラートのこれからを担う若い醸造家たちのサポートを惜しまなかったりと、30年以上経った今でも努力を惜しまず、精力的に活動するレネ・バルビエ氏(父)。

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プリオラート、延いてはスペインのワイン史において、彼が残す功績は非常に大きいと言えます。
1992年より2代目レネ・バルビエ・メイヤーが醸造に加わり、現在では彼が責任者を務めています。

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【ワイン】

Clos Mogador クロスモガドール:ファーストヴィンテージ ’89
当初は土着のカヴェルネ・ソーヴィニヨン、シラー主体にガルナッチャ、カリニェナのセパージュ
当時の両土着品種の評価↓
ガルナッチャ→華やかでフルーティだがボディが足りない
カリニェナ→粗野でエレガントさにかける
現在ではガルナッチャ、カリニェナのポテンシャルが見直され、メイン品種として使用
カヴェルネS、シラーによりタンニンが豊富などっしりがっつり系から、現在はガルナッチャのフレッシュさを活かしカリニェナでやわらかさを加える味わいに。
暑い地域特有のアルコール感の強さはあるが、それを上回る冷涼感、フレッシュさが感じられる。
調整酵母などは一切使用せず、ぶどうの皮にある天然酵母を生かし開放槽にて発酵を行う。
選果台は2台、1台目で状態の悪い実を取り除き、2台目では1粒1粒、乾燥しぎみ(過熟気味)の果実を取り除いていく(→よりフレッシュな味わいに)
熟成は大容量の木樽を使用し、樽由来の風味も初期ヴィンテージよりは抑え目。

’09 レネJr.曰く、最も高評価を受けた2000年以来のベストヴィンテージ。
今後5年~が飲み頃となり、熟成による素晴らしい味わいを楽しめるとのこと。
今飲むなら、数時間前の抜栓、デキャンタージュは必須。
’10 ’08同様暑い年だったため、飲み頃が早く味わいがこなれている。3年後~が飲み頃。

MANYETES マニェテス
ガルナッチャ、カリニェナの土着の味わいを活かすワインとして誕生。
当初はガルナッチャ主体だったが、カリニェナのプリオラートの地との相性が非常に良いことが年々わかり、
’08はカリニェナ70%、ガルナッチャ30%
’09、’10はカリニェナ90%、ガルナッチャ10%
’11は100%カリニェナに。
世界的には評価が低いカリニェナ(フランスではカリニャン)が、プリオラートと地だからこそ本領を発揮している例として、プリオラート好きには必飲の一本。

合わせるグラス:
数年前にプリオラートで、ブラインドティスティングによりグラスとのマリアージュを決めるコンテストがあった。
プリオラートの濃厚系(クロスモガドール)にはシラーグラス、エレガント系(エルミータなど)にはピノ・ノワールグラスが最適という結果が出た。

NELIN ネリン
1990年代、まず海外マーケットで非常に高い評価を受けたクロスモガドールは、順調に知名度を上げ、少し遅れて国内のマーケットにても確固たる位置を築き現在に至る。ネリンのファーストヴィンテージは2000年。
「プリオラートの赤」にこだわるワイナリーが、白の土着品種に目を向けた時期で、北の標高の高い畑に点在するさまざまな品種からブレンドし造った。
いわゆる「地中海の白ワイン」としてイメージされるのはフルーティで飲みやすく爽やかな味わい。
ネリンは、香りからそのイメージを覆す。
酵母等無添加で自然酵母のみによる発酵は非常に時間がかかり、1年かかることも。
濃厚で複雑、凝縮感がありながらフレッシュ。熟成を経てさらにこなれていく味わいこそ、レネJr.が目指している味わい。

ネリンタンク

熟成に使用されるコンクリートタンク

今までの地中海白ワインにはなかった味わいを、「世界で無二」といわれる地理的・気候特徴を持つプリオラートで造ることを目指す。
’00 フルーティでシンプルな味わい

’10 複雑味にあふれる濃厚な味わい、5年後~飲み頃
合わせるグラス:シャルドネグラス
現在レネJr.が畑、醸造ともにマネージ。レネ父がモットーとした生物多様性に加え、日本人福岡氏が提唱した「自然農法」にインスパイアされ、さらに「自然」を意識した畑作りを行っている。

 

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