スペインを振り返る⑫レオン

レオン


スペインを振り返る⑪ビエルソ(2013年収穫期の旅)はこちら


ビエルソに後ろ髪ひかれつつ出発、二軒目のワイナリーはレオンを南下したバルデビンブレという村にあるVDTレオンのTampesta(タンペスタ)。

このワイナリーが所有する畑の土壌は小石の多い沖積土で水はけがよく、有機物の少ない痩せた土壌です。
気候は大陸性気候。夏は焼けるように暑く、冬はとても寒いようで0度を下回ることも。霜などもよくあるそうです。

土着品種「プリエト・ピクード」(赤)と「アルバリン」(白)のワインを生産しているワイナリーです。

プリエト・ピクード、このマイナーな品種はレオン周辺で作られている黒ぶどうの品種で、プリエト(黒い)ピクード(先の尖った)の名を持つ色が濃く皮の厚い品種で、タンニンの非常に強い濃厚な味わいが特徴(というかデメリット)の品種で、古くは赤ワインには向かずロゼを生産するための品種として地元に根付いてきました。

近年では豊富なタンニンを生かした熟成赤ワインも高い評価を受け始めています。

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ワイナリー・タンペスタ

レオンでは伝統的なMadreo(マドレオ)と呼ばれる製法で、プリエト・ピクードの魅力を最大限に活かしたワインができあがります。その製法とは、発酵中の果汁にぶどうの房(Madre・母と呼ばれる)をまるごと入れ、2次発酵を起こして二酸化炭素を発生させる方法とのこと。これにより強いタンニンを和らげてまろやかにし、フルーティな香りを引き出す効果があるそうです。(マセラシオン・カルボニックに似ていますね)*プロに確認中

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黒ぶどう発酵用木樽

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プリエト・ピクードを赤ワインとして作るのに必須の高品質のフレンチオーク

樽熟成前のプリエト・ピクード100%を試飲させてもらいました。色は真っ黒、口に含むと激しいタンニンが!!!

渋柿のような苦味、渋み、これが樽で長期熟成することで柔らかく甘みを増し、濃厚で余韻の長い味わいのワインとなるそう。

その後に、熟成後のワインを頂きました。樽熟成による品種の味わいの変身には目をみはりました。

 

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畑に向かう途中に出会った羊飼いと羊の群れ

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お願いして乗せてもらった馬車

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ぷりぷりのプリエト・ピクード、思ったよりとんがってない

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石がごろごろの乾燥した土壌

仕立ては、伝統的に、太い幹を地中に埋めて枝を地表に這わせる方法で、タンペスタでもその仕立ての畑でした。この仕立ての方がぶどうの状態がよくなるとのこと。現在は作業効率のよさから写真のように垣根式で造られることも多いようです。

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土が乾燥しているので、幹の上まで土を盛るのがこの土地の栽培方法のひとつ(左手前の株)

当然のことながら、ビエルソとの環境の違いに驚かされます。どこまでも続く乾燥した平らな大地、照りつける太陽は別の国のようです。

この乾燥した地方で特有の、丘の下に掘られたクエバ(洞窟の意、貯蔵庫の役割を果たすが昔は中で自家製ワインなども作られていた)

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ここで一人の日本人に出会いました。

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マコトさん(右)、当時レオン在住でタンペスタの醸造家(中)の女性と仲が良く、「今日日本人がワイナリーを訪問する」と聞かされわざわざ来てくださったとのこと。

左を歩くおじいちゃん、マニョさんにも出会い、マコトさんと一緒に彼のクエバにおじゃますることができました!

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ぶどうの蔦が絡むかわいい入り口

 

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扉を開けると驚愕の景色が

ものすごい数のワインボトルが壁を埋め尽くしています。

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マニョおじいちゃんが時間をかけて作った、特別で大切な空間。

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壁にぶらさがる鍋やじょうご、さまざまな古い器具

クエバの中はひんやり、一年を通して激しい温度変化のない自然の冷蔵庫です。

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歴史と愛を感じるそこかしこの飾り

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感動の秘密基地でマニョおじいさんとぱちり

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奥のサロンでリキュールを頂きました

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こうしてみなで集まってリキュールを飲むんでしょう、素敵な空間です。

あまりに素敵な空間すぎて、時間が経ってほしくなかった、もっとマニョさんとお話したかった!

おじいちゃんおばあちゃん大好きのぐりすぺにとって、この旅でもっとも興奮し感動した時間でした。

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マニョさんと畑へ。マルバシアだったかと、たくさん食べさせてもらいおなか破裂しそうに

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贅沢なぶどう食べ比べ

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イケメンまことさん

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楽しい時間はあっという間に過ぎ、畑に日が落ちていきます

たくさん食べさせてもらったぶどうの水分でたぷたぷ音を立てる体で、バルデビンブレにお別れ。

貴重な体験、素敵な思い出をありがとうございました!マニョさん、大好き!

そして一行はマコトさんと共に夜のレオンへ・・・初めての、そして待ちに待ったBarrio humedo(バリオ・ウメド)に突撃!

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この日、運良く街ではMercado medieval(中世市場)が催され、手作りの食品や製品がテントに並ぶ光景を見て回ることができました。

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人で埋まる通り

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「中世」らしく、通りには旗がかかり、なぜか骸骨も?

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手作りのグミも色鮮やか

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さまざまなエンパナーダ

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巨大なケーキが並びます。売り子さんたちも中世の装い

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チーズや腸詰類売り場は匂いだけでワイン飲めます

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素焼きの器も見たことのないような形が並んでいました。重い上に壊れやすいから、なかなか買って帰れないけど全部欲しい

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ライトアップされた石造りの建物、反射する石畳

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ナッツなどを使ったお菓子

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いちじくペーストとアーモンドの塊、ワインとチーズのお供

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ガリシアっぽいパンも発見

 

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巡礼路に入ると喜ぶ女はわたしです

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マコトさんおすすめのお菓子屋さんに立ち寄りました

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素朴なお菓子がショーウィンドーに並びます

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どれもこれも食べたい(どこでも同じこと言ってる)

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おやつにつまんだ揚げ菓子、糖衣がかかっていてさっくり、中はふわふわ

ぶらり歩きながら、路地の先に見えるひときわ輝く美しい建造物、レオンの大聖堂です。

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壁を極力少なくすることで、世界最大のステンドグラスコレクションを有するレオン大聖堂。

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見学は翌日にお預けです。

 

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ガウディ建築のボティネス邸もちらり見学

急ぎ足の要点を押さえた見学も、レオン住まいのマコトさんが同行してくれているから。知らない土地はいつも緊張するけど、強い味方を得て、リラックスして歩けました。

そしてタダタパ巡りスタート!

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小さなビールを一人一杯頼むと・・

 

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タダタパきたーーーー!!!!!!!!

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二杯目でまたタダタパ、これおいしかったなぁ、細かいピカディージョとポテト

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場所を移してLas Torresのパタタス・ブラバス、このボリューム!!!!

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さらに場所を移してプリエトピクードのロゼにアルバリンを飲みながら

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タダタパのクオリティの高さはんぱない、味わい深いマスのスープとモルシージャペーストのカナッペ

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更にはしご、濃厚赤ワインにタダでついてくるのは・・・

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ファイアーーーーー!!!!!

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火炙りチョリソー!オルッホをかけて点火!

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どんどんはしご

 

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ワインが豊富なバルでチョリソー、ハモン、チーズがもりもりのタダタパス

レオン、半端ないです。タダタパものすごい楽しめます!

この感覚が癖になっちゃったら、他の町のバル通りが物足りなく感じるかも・・?

タダとはいえ、それぞれのバルが競い合ってハイクオリティ&大ボリュームのタパスを提供しているから、内容も楽しめます。

思わず「お店、大丈夫?」と聞きたくなる、このタダタパシステム、レオンてば!

上記Barrio húmedoはもちろん、地図上カテドラルを挟んで上方にあるBarrio Románticoにも多くのおいしいバルが点在しています。

片っ端から入ってみて、驚いてみるしかないですね。

楽しすぎるはしご酒が楽しめるレオン旧市街、制覇するには相当な時間がかかりそうですが、ぜひトライしたい!

ちなみに良く飲んで良く寝て日が明けて翌日の朝食・・・・

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カフェ頼んだら、大量のふわふわついてきた!

朝食までタダタパ(ならぬ、タダデサジュノ)!

 

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カステラのようなふわふわスポンジ

短い滞在ながら、素晴らしい体験ができたレオン。

カテドラルも素晴らしかった。

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美しすぎるレオン大聖堂

 

マコトさん、出会えてよかった、本当にありがとうございました!

レオン

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2 件のコメント

  • Hola!今年ビルバオからビーゴまで行ってみたいなあ、でもマドリードから入った方がいいのかと迷っているのでとても参考になります。ツイッターの方をフォローさせて頂きました。

  • やしのみさん(^^)お返事に1ヶ月以上かかってすみません!
    コメント、Twitterフォローありがとうございます!
    なかなか動きのないブログではありますが、どうぞよろしくお願いします(^^)

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