スペインワインは世界一!

2014年1月31日にスペインの農業省(el Ministerio de Agricultura)が発表したところによると、スペイン国内でのワイン生産量が前期より41.4%増、前期の世界No.3(1位フランス、2位イタリア)から「世界No.1ワイン生産国」となった。

スペインはもともと「世界No.1ぶどう栽培面積国」であったが、単位面積収穫量が低いため生産量は世界第三位に甘んじていた。

前期より41.4%の生産量増加というのは驚きの数字だが、この数字を伸ばした立役者はD.O.ラ・マンチャ。インフラを整備し作業効率を上げるなど生産量を大幅に上げた。追髄するのはカタルーニャ州。輸出量が毎年右肩上がりのカバが数字を伸ばしている。スペイン国内で3位の生産地は意外にもエストレマドゥーラ州。ポルトガルとの国境に位置し、東隣はラ・マンチャ、南はアンダルシア。近年品質の良いワインも生まれているが、広大な平地を生かし生産量を伸ばした模様。

フランスは気候条件の不利などから今期生産量が停滞。イタリアはまずまずの上昇値をマークしたが、スペインの成長率には及ばなかった。

スペインはもともと個人経営のワイナリーや家族経営のワイナリーが多く、手作業による畑の維持・収穫や醸造過程などが多かった事も栽培面積に対し生産量が少なかった要因のひとつと言われているが、近年の不景気のあおりを受け小規模ワイナリーが次々と操業停止、大手による買収により収穫・醸造過程の効率化が進み生産量が上がったという見方もある。こうした動きによりワインの品質は大量に一定化するもののオリジナリティの突出した少数ワインが消えていく恐れはある。

一概に「やったー!世界1位だー!」と喜んでいてはいけないのかもしれない。(嬉しいことは嬉しいが)

また、スペインにとって文化的、経済的に非常に重要な産業であるワイン産業が世界トップの位置に立ったにも関わらず、スペイン国内のワイン消費量はEU他国に比べ低く、また年々減少の道をたどっている。

近年EU主要諸国のワイン消費量は全体的に落ちているとはいえ、ワイン大国スペインの消費量は年間消費量20リットル(一人当たり)にも及ばないEU内第五位。大流行を見せたジントニック(だれでもどこでもジントニック現象)文化、発展するビール産業などから若者のワイン離れは著しく、今後も消費量は下がりそうだ。

各D.O.や地方自治体では若者へのアピールやイベントなどを増やしている。

世界で最もワインを作っている国の消費量が低いというのは悲しいが、スペインは輸出面で近年好調な伸びを見せている。カバの流行、デイリーワインの大量輸出などから数量ベースで驚異的な伸びを見せた数年前よりは全体成長率はなだらかになっているものの、数量ベースの代わりに金額ベースの数字が伸びた。

これは、バルクワインやバッグインボックス、安価なボトルワインなどの輸出の需要がある程度止まり、高品質なボトルワインの輸出が増えていることを意味する。成長率はなだらかになったが、理想的な形で輸出量が伸びていることには今後のスペインワインの地位向上への期待も感じられる。

ちなみに日本は、スペインワインの輸出先国第12位。(数量ベース。価格ベースでは9位(2012年調べ))

近所のスーパーでもカバの品揃えが見られるようになった。今後は小売で、赤・白ワインがもう少し増えると楽しいなと、個人的にそう思う。

 

資料:España se convierte en el primer productor mundial de vino(Antena3)

ICEX 数字で見るワイン産業 (2012 年版)

 

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