三鷹台 ア エスピリトロンパ

ガリシア料理

**現在は閉店しています**(2018年追記)

 

先月三鷹台にオープンしたガリシア料理専門店A Espiritrompa(ア・エスピリトロンパ)へお邪魔してまいりました。

ア エスピリトロンパ

A Espiritrompa ア・エスピリトロンパ

住所:東京都三鷹市井の頭1-29-13
TEL:0422-40-6507
京王井の頭線 三鷹台駅 駅出口を左にまっすぐ、郵便局隣
営業時間:LUNCH12:00~14:00 DINNER:18:00~21:00

太田オーナーシェフ(上写真)は現在の日本におけるスペイン料理界ではバスク、カタルーニャで修行された料理人が多い中、ガリシア地方ア・コルーニャのレストランで修行された珍しい(!)方。スペイン料理・ワインに携わる人々が文化を発信するグループ、「PLUS ULTRA(プルス・ウルトラ)」代表も務めています。

ア エスピリトロンパ 外観

お店は三鷹台駅から歩いてすぐ、黄色の外観が目立つ、日本ではないどこかにありそうな雰囲気の一軒家です。

骨組みの見えるロフトハウスはまるでどこかの山小屋のような、でもスタイリッシュな北欧のような。

ア エスピリトロンパ ア エスピリトロンパ ア エスピリトロンパ

入り口を入ると、左手に吹き抜けの階段、右手に太田オーナー手作りの石釜、そして広いキッチンが広がります。

キッチン奥には中庭があり、喫煙ができる薪割りスペースが。

ア エスピリトロンパ

二階客席からの薪割りスペース。温かみが感じられる石の床、丸みを帯びたスペースです。

店内には薪を焚く甘い木の香りがふんわりと漂います。

ア エスピリトロンパ 客席 ア エスピリトロンパ 客席 ア エスピリトロンパ

店内はオレンジ色の壁に籐の椅子が温かみある客席。テーブルに置かれた青のグラスがオレンジ色の壁に爽やかなコントラスト。

ア エスピリトロンパ メニュー

メニューは4200円のコースとアラカルト。ワインはグラスで白・赤500円。ボトルも3000円代で揃っています。

ビールはもちろんエストレージャガリシア。

エストレージャ・ガリシア

前菜・メインをチョイスできるコースメニューを頂くことにしました。

ア エスピリトロンパ グレロとじゃがいものクリーム 塩鱈のエンパナーダとムール貝のビナグレッタ

アペリティーボの3品。グレロ(ガリシア地方で良く食べられるカブの葉に似た野菜)とジャガイモのクリーム、塩鱈のエンパナーダ、ムール貝のビナグレッタ。

グレロのクリームは温かいポタージュ仕立て。優しい青菜の味わいが食欲をかきたてます。

太田オーナーのスペシャリテ、塩鱈のエンパナーダ。身をほぐした塩鱈と野菜の暖かい味わいにレーズンの甘みがアクセントになった具が歯触りの良い皮で包まれています。思わず「うーーーー!!!」と目を閉じてしまうおいしさ。

ぷりぷりの大ぶりムール貝のビナグレッタはジューシーで柔らかな酸味。貝に残る汁もきっちり頂きます。

ア エスピリトロンパ ガリシアパン

太田オーナー手作りの石釜で焼き上げる、手作りのガリシアパン。かりかりの表皮ともっちもちのクラム、これだけで赤ワインが飲める香ばしい味わい。

ア エスピリトロンパ ムール貝 ア エスピリトロンパ 海苔とウニのクロケッタ

前菜①ムール貝の白ワイン蒸し。セロリとたまねぎとともに蒸されたふっくらムール貝に悶絶。ぎりぎりの火入れはさすが。ジューシーで瑞々しいムール貝を味わえました。

串に刺さった一口サイズのクロケッタは海苔とウニの風味。海苔のミネラルな味わいがベシャメルに溶け込んで海の香り。

ア エスピリトロンパ グレロ

特別にコースに組み込んでいただいたグレロとチョリソー。軽く茹でたグレロを蒸し、提供前にチョリソーと合わせオーブンで温め、豚出汁を敷いた皿に盛ってあります。

青菜の煮浸し!豚の出汁のコク、チョリソーの味わいが苦味あるグレロと相まってどこか懐かしい、だけどしっかりスペインの味がする一皿でした。

グレロ、実は日本では見かけないスペイン野菜のひとつ。カブの葉で代用することが多いのですが、独特な苦味はカブとはまた一味違います。

太田オーナーはスペインで買い付けた種から栽培した手作りのグレロを提供しているとのこと!なるほど本場の味、白い実もしゃりっとした歯触り、独特の苦味がなんともおいしい。

ア エスピリトロンパ タコのプランチャ

前菜②はチョイスのタコのプランチャ。ガリシアと言えば、の食材「タコ」ですが、ポピュラーな「ガリシア風」ではなく「プランチャ」(鉄板焼き)。香ばしく焼かれた表面と、柔らかい繊維の肉質との間のゼラチン質が驚きの食感、豚足のプランチャを思わせる三段階食感(パリ、トロ、じゅわ)にまた「うーーーーーー!!!」と声出ます。これは毎回食べたい!と思いました。

友人チョイスの前菜②は鰯のマリネとモッツァレラ。さっぱりとマリネされた鰯、さりげなく添えられたハーブが合わさって爽やかな一品。

ア エスピリトロンパ 鰯のマリネ ア エスピリトロンパ 赤ワイン

メインのチョイスが「豚のテリーヌ、カジョス風」(友人)と「真鯖のエスカベッチェ」(わたし)だったため、赤ワインを。リオハの老舗ボデガス・ビルバイーナが造るヴィーニャ・ポマル。ほんのり甘みのある涼やかなテンプラニージョです。

ア エスピリトロンパ 豚のテリーヌ カジョス風

友人チョイスのメイン、豚のテリーヌ カジョス風。細かく刻んだ豚足が食感楽しい煮込みの中にはガルバンソのピューレが隠れています。上面にはコラーゲンの塊のような豚のテリーヌ。とろとろ。ローズマリーの香りがふわっと移って、アクセントになっています。

ア エスピリトロンパ 真鯖のエスカベッチェ

わたしチョイスのメイン、真鯖のエスカベッチェ。柔らかくマリネされ、皮目ぱりっの風味豊かな鯖、香る三種のきのこはたまねぎと白ワインビネガーのソースにからまってパンがすすむ味わい。

全てのお皿はトラディショナルな組み合わせなのですが、素材のおいしさが引き立つ優しい味わい。太田オーナーの穏やかな人柄が練りこまれています。友人は「しあわせー!」とため息をつき、わたしはひたすら「うーーーーーー!!!」と目を閉じるの繰り返しでした。

ア エスピリトロンパ 栗のタルト

デザートは栗のタルトとアニスのアイスをチョイス(わたし)。これが!リオハの赤と最強のマリアージュ。しっとりとした栗のスポンジのナッティなコクと、アニスの香り爽やかなミルキーなアイスを一緒に口に含んで飲み込んだら、余韻で赤ワイン一杯飲めます。

ア エスピリトロンパ 焼きりんごのフィジョア

友人チョイスの焼きりんごのフィジョア。フィジョアとはガリシア地方やアストゥリアス地方で良く食べられるデザートで、クレープのこと。通常は生クリームやカスタードクリームが巻かれたものがスタンダードですがこちらではクレープの下に焼きりんごとクリームが隠れています。焼きりんごの甘酸っぱい味わい、添えられたソースの酸味と蜂蜜のコク。白のスイートワインと合わせてみたい!

ア エスピリトロンパ カフェ

食後のカフェの器もかわいくて心臓わしづかみ。

ア エスピリトロンパ ガリシアパン

食後1階のキッチンに降りて見学させていただきました。ガリシアパン、毎朝焼き上げているそうです。

ア エスピリトロンパ 手作り石釜

手造り石釜の内部。ここで薪を焚いた後取り出し、余熱(といっても300度ほどになるそう)でパンなど焼き上げます。

ア エスピリトロンパ スペシャリテ

太田オーナースペシャリテのエンパナーダ発見。エレガントな形状。

ア エスピリトロンパ 

石釜で燃やす薪は太田オーナーがこまめに薪割り。これ、都内ですよ。ガリシアの山奥じゃありませんよ。

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手作りのガラス瓶ランプはひとつひとつ形状が違います。

くるっと回転させると灰が下の石器に落ちるデザインの灰皿はZARA HOMEのもの。ご存知のとおり、ZARAを経営するインディテックスグループはガリシア生まれの企業です。

一階奥の水場、足元のレバーを踏むとお水が出るスタイル。タイルを張ったのも太田オーナーです。

ア エスピリトロンパ

太田オーナーへのスペイン土産、巡礼者が身につける帆立貝。早速壁にかけていただきました!

ア エスピリトロンパ

店頭でポーズをとってくださった太田オーナー。おいしいお料理、温かく細やかなホスピタリティに大感謝、ありがとうございます!!

ちなみに店名のア エスピリトロンパ、蝶の舌を意味するスペイン語ですが、この名前を店名にしたのにはさまざまな側面からの太田オーナーのスペイン愛があります。

蝶の舌のくるっと巻いた形状、映画「蝶の舌」、太田オーナーが修行したお店の名前、そんなさまざまなキーワードから、「ア エスピリトロンパ」という名前になりました。

渋谷から30分弱、三鷹台駅から歩いてすぐ。

おそらく日本で初めての本格ガリシア料理専門店。

本当におすすめです。手作りのガリシアパンとタコのプランチャ、驚きです。

ぜひ時間を作って出かけてみてください。

ガリシア料理

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2 件のコメント

  • カンタブリア出身の西語の先生と、娘がスペインへ嫁いだご婦人が話していた。「おいしいのよね、ガリシア料理って。ガリシア専門店は無いわよね日本に・・。」。ガリシアには日本ではもちろんご禁制のシラスウナギのオイル煮も有るとか無いとか。3.11大災害で津波の拡大要因になったのは一つは東北のリアス式海岸。「リアス」と言うのはガリシアの西海岸の名前が由来で、それゆえ魚介類が豊富な地。四国の88か所のお遍路さんの国際版、「カミノー・デ・ラ・コンポステラーノ」と言う巡礼道もフランスの方から延々と続く。終点は世界遺産の寺院のある古い都市で、きっと奈良とか、山形とか・・。ん・・、英国のほうに面しているから、韓国の方に向いてる松江の感じかなあ。行ってみたいなあ。でもその前にチョットお店で食事を “Vamos a comer pulpos a la plancha en A Espiritrompa.”

  • 先日、3人で食事させて頂きました。ムール貝とマテ貝が絶品でした。一緒にいった女性は、予約して頼んでいたパエリアが過去最高の味と絶賛していました。また、伺います!

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